同人音楽の感想みたいなレビューみたいなものを書いてます

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【感想】 狂聲メリディエ / 少女病

狂聲メリディエ
(2015/08)
少女病

公式サイト


少女病の2ndメジャーアルバム。
1stの『残響レギオン』から4年半、直近アルバムの『創傷クロスライン』からは3年という、
長い空白期間を経てのリリースだっただけに、前評判も不安半分期待半分、
リリース後の評価も賛否両論はっきり分かれた作品だったように思います。
正直なところ、私も第一印象はあんまり良くなかったですね。
「廃園イデア」の引きが最高だっただけに、どうにも肩透かし感があって。

ただまあ、これは断言しますけど、今作は考察が面白いです。
間違いなく少女病で一番面白い。
少女病作品の魅力のひとつに「シンプルで分かりやすい悪辣なストーリー」
というのがありますが、その「悪辣さ」が今までよりも多層的に描かれているのがポイント。
歌詞を一読しただけでは見えなかった部分が、聴き込み読み込みを進めるうちに
だんだん見えてくるようになる快感……まさに私が好きなタイプの作品です。

ほんとは考察記事を上げるつもりだったんですが、たらたら説明を書いてると
どうしても野暮ったくなってしまうので断念しました。
いちおう、方向性としては「メリクルベルの目的と思考」を中心にして
「自作自演説」「クレイジーサイコレズ説」「語り手黒幕説」「神への反逆説」
という4つの解釈を立てて云々、というのを書いてたんですけどね。
考察とは言いがたい妄想・願望レベルの内容も多かったのでお蔵入りです。
二次創作のネタとしては面白いと思うので、私にその能力があれば書いたんですけど。

まあ、とにかく色々な解釈ができて楽しい作品であることは間違いないです。
「不完全犯罪依存」「観客」「世界像」「偽幸者」「リンゴ」あたりのワードが
何を意味し、誰を対象としているのか……それを考えるだけでも楽しい。
中心にいるのはやっぱりメリクルベルで、彼女はなかなか奥ゆかしい人物ですよ。
言動は清々しいまでにヒールですが、「そのように振る舞っているだけ」と考えると、
途端に愛おしさが湧いてきますからね。
捉えようによっては最後の「多分、ね」や高笑いが全く別の意味に聞こえるようになるわけで。

スルメ盤という言葉がありますが、今作はまさにそれ。
解釈を重ねるごとに曲自体の印象もどんどん良くなっていくという。
これを全部計算ずくで作っていたら相当凄いと思うんですが、
正直それは微妙かなーという気もします。偶然の産物のような気が。
とはいえ新作も良かったですし、下火傾向の物語音楽を牽引する存在として
少女病には今後も気を吐いてもらいたいですね。


以下は曲の感想です。


01-不完全犯罪依存症

良くも悪くも今作を象徴するような曲。
最初聴いたときはいきなり五魔女会談なるものが始まりポカーンとなるけど
歌詞が馴染んでくると後半からの加速感が気持ちよくなってくる。
物語と書いてわざわざ<ストーリア>と読ませる中二ぶり、最高ですよね。
あとケンカの仲裁をするアイリーン様が萌えキャラ。

考察においては、「第一の魔女」であるシスフェリアが「新参の魔女」なのが何気に重要。
魔女のナンバーは魔女に選ばれた順番でつけられているわけではなく、
物語の語り手が意図的に決めているということになりますからね。
「語り手黒幕説」はこのへんが取っかかりになってたり。
少女病作品の語り手は『偽典セクサリス』でキャラクターとして示されてるので、
単なるメタ解釈ではないですよ。いちおう。


06-Still Unforgiven

RD大先生がノリノリで歌詞書いてるのが伝わってくる曲。
「何度も何度も頭を振って~」のくだり、フィーナさんが髪振り乱してヘドバンしてる様子が
浮かんできてつい笑ってしまうという。

この曲もねー、メリクルベル(メイメイ)の悪意というよりは語り手の悪意が強いんですよね。
フィーナの物語を『告解エピグラム』としてパッケージにしてるからこそ
この話は救いようが無くなるわけで。そもそも「Still Unforgiven」というタイトル自体がアレだし。
もしかしたらフィーナの未来はホントにメイメイが示したとおりで
メイメイは親切で言ってやってるだけかもしれんのですよ。
どうもね、この作品全体がメリクルベルを悪役に仕立て上げようとしている気がして、
そういう薄気味悪さがあるから解釈という名のこじつけを色々考えたくなる。


08-偽りなき聲

RD大先生がノリノリで(略
最初聴いて思ったのは「あこれ『The beautiful world』だ」でしたね。
メリクルベル=八雲紫だし『狂聲メリディエ』は『辿/誘』だわーという凋叶棕信者らしい感想。

この曲で描かれているメリクルベルとメイメイの関係をどう解釈するかってのが
今作のストーリーのキモですね。メイメイがメリクルベル溺愛しまくってるのは伝わるが
メリクルベル→メイメイの気持ちはほとんど描かれてないのがポイントだったり。
双方向の百合か一方通行の百合か、という……ここで一方通行とした場合が
「クレイジーサイコレズ説」になります。もちろんメイメイがクレイジーサイコレズです。


09-狂聲ドミナシオン

テンション高い曲だけど会食シーンだからなこれ!?
飯食う場面なのにドコドコドラム鳴らして疾走するのが面白すぎる。


10-最終楽章:魔女と七人の美しい少女

歌詞の捉え方によって印象ががらりと変わる曲。
ミリリ視点ぽいけどメリクルベル視点でも成立する歌詞が面白いですよね。
偽幸者、ショーケース、観客、毒リンゴ、世界像……このあたりのワードの多重性がたまらんのです。
そして最後の台詞と高笑い……あの笑いは誰に対する笑いなんでしょうねえ?
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ライトノベル感想とか

『狂聲メリディエ』の考察、土日フル回転で書いてたんですが終わらないですね……。
ストーリー作品だとどうしても説明的な文章が多くなって冗長になっちゃいますね。
言いたいことはシンプルなんだけど、そこに辿り着くまでが長いのなんの。

というわけで、アップは再延長で。来週か再来週には何とか……。
今回は最近読んだライトノベルの感想でも書いてお茶濁しときますね。


くま クマ 熊 ベアー

[まとめ買い] くま クマ 熊 ベアー(PASH! ブックス)

なろう作品の書籍化です。いわゆる異世界転生チートものなんですけど、
主人公がクマの着ぐるみ姿の少女ってところが特徴ですね。
見ての通り主人公からして癒しのオーラが出まくってますが、
他にも5歳とか10歳くらいに幼女たちがたくさん出てきてとにかくほんわか。

飾り気のないぶっきらぼうなテキストになんとも言えない中毒性があって、
既刊3巻読んだあと、なろうの本編(300話くらい)も一気に読んでしまいました。
ストレスを感じる場面がまったくなく、永遠に続いて欲しいタイプの作品ですね。
私の長らくの癒しであったイカ娘は終わってしまったからな……。


SILENTWORLD

SILENTWORLD

『ISLAND』『ひまわり』のライターが書いた小説。同2作と世界観を共有するお話です。
小説向きの文章とノベルゲー向きの文章ってあると思うんですけど、
この人の場合小説のほうが合ってるんじゃないかなー、と感じましたね。

お話のほうは、オーバークロックという時間加速能力を持つ少年少女の青春モノですね。
1冊完結ですが、SF設定の切れ味とビター混じりの青春の味はノベルゲー2作のそれと同等。
特に時間加速の種明かしはスケールがでかすぎて完全に盲点でしたね。そんなんアリか。
作者を知るなら最適の一冊だと思います。全然売れてないっぽいけど。

ノベルゲーム感想とか

少女病の『狂聲メリディエ』の考察を書き進めています。
ほんとは今日中にでもアップしたかったんですけど、思ったより濃い内容になってしまって。
個人的には面白い解釈ができたとは思うんですが……次の土日に持ち越しですかね。

一応週1回更新が当面の目標なので、6月に遊んだノベルゲーの感想でも置いときます。
7月はとりあえずゆずソフトと、余裕があればバグシステムのリョナゲーかな。


ISLAND

ISLAND

今年4月にフロントウイングから発売。
全年齢ってこともあるけど声優がやたら豪華(田村ゆかりとか阿澄佳奈とか)なのと、
同人ゲーム界隈では有名なライターがシナリオ書いてることで話題になった作品ですね。
どちらかというと私はライター買いでした。
『ひまわり』はSFノベルゲーの中でも相当面白かった部類に入りますし。

今作も最終的には面白かったんですが、読み進めるのはけっこう苦痛でしたね。
結局オールクリアするのに2ヶ月以上かかってしまいました。
トライアンドエラーの連続で出口の見えないストーリーと、主人公のくどい内省描写がね……。
ただまあ、苦労して読み進めただけあってクライマックスは素晴らしかった。音楽も良かったし。
「そして今――辿り着いた」のくだりの達成感と納得感は凄いものがあります。
総括するなら「良いおとぎ話だった」かなあ。骨格はSFだけど内容はおとぎ話なんですよ、これ。
あと、田村ゆかりはやっぱり凄い。何が凄いか書くとネタバレになるのであれですがとにかく凄い。


オトメ*ドメイン

オトメ*ドメイン

今年6月にぱれっとクオリアから発売。いわゆる女装主人公ものですね。
このジャンルはあまり遊んだことなくて馴染みが無かったんですが、良いもんですね。
ノベルゲーは声優さんの声を流してるだけでけっこう満足しちゃうんですが、
主人公にもボイスがあるのでボリュームの割にお得感がありました。

ヒロインに癖がある(全員ポンコツ)なので好みが割れるでしょうけど、ポンコツヒロイン好きだし、
ストーリーも適度にシリアス混ぜつついい感じに緩くまとめていて好印象でした。
ヒロインの一人称視点が出てくる作品好きなんですよね。
今作だと柚子さん視点が良かった。ポンコツどころかクズに片足突っ込んでるし、
自らのクズ性を自覚しつつも改められないあたりのどうしようもなさ。うむ、愛おしい。

再開気配

そろそろここも立派に墓標ブログとなりつつありますが、ちょこちょこ更新を再開しようかなと。
とりあえず試運転みたいな感じで、天巡メルクマールの感想を書いてみました。
やっぱりねえ、Twitterの鍵垢に引きこもってると、長文書きたい欲に駆られてくるんですよね。

といっても、最近は同人音楽はすっかりご無沙汰で、ここ2年くらいはイベントにも行かず
地元のメロンブックスで凋叶棕とななひら作品買って終了、みたいな状態が続いているので
大したものは書けませんけどね。凋叶棕はいろいろ気合いが必要なのであれですが、
ななひら作品と少女病の狂聲メリディエくらいは書いておきたいかも。
あとはまあ、昔の作品ですか。書きそびれたのも結構ありますから。

もっとも文章書くこと自体が娯楽みたいなところあるので、
音楽に限らずテキトーに書いていくことになるかな。一番書きやすいのは音楽の感想だけど。
こんだけ放置すればもう見に来る人もほとんど残ってないだろうし、好き勝手やっていきます。
飽きたらまた放置します。そんな感じでよろしくお願いします。

【感想】 天巡メルクマール / 少女病

天巡メルクマール
(2016/07)
少女病

公式サイト


はい、みんな大好きガールズディズィーズさんですね。つい先日に発売した新作シングルです。

第4の魔女の物語……とのことなんですが、「え、もう??」というのが
新譜情報見たときの率直な感想でしたね。第3の魔女のときはさんざん待たされましたし、
こんなに早く新譜が出るとはまったく思ってなかったので。
嬉しいといえば嬉しいのですが、ストーリーの補完をノベライズ任せにしていたり、
公式サイトの書きっぷりがさっさと話畳んじゃおう感満載だったりと、
正直これはあまり期待しない方がいいのかなと発売前は警戒してました。

ただまあ、やっぱり音楽というやつは実際に聴いてみないと分からないものですね。
今作、かなり良い出来です。歴代作品のなかでも上位に来るんじゃないかな。
特に、少女病を知らない人に入門用として勧めるなら最高の作品だと思います。
短い中に少女病のエッセンスがまとまってるし、話も綺麗に完結しているし。
過去作の予備知識がほとんど必要無いのも大きいですね。
「少女病って気になってるけど沢山あってどれから聴けばいいの~?」って人がいたら、
私は絶対に今作を勧めます。今までなら『残響レギオン』を勧めましたけどね。
レギオンは終盤が気持ちいいけど中だるみするし、特に説明なくルクセイン君が出てくるので。
取っつきやすさなら圧倒的にこちらが上でしょう。

では、具体的にどういった点が優れているか。1曲ずつ見ていきましょう。


01 黒紫のオーンブレ

少女病の1曲目らしい、ストリングス・クワイアを交えた重厚編成の疾走シンフォニックロックチューン。
これね、私は今までで最高の1曲目だと思うんですよ。
少女病の1曲目って派手だけど、物語の概要説明みたいな内容が多いせいか
どこかインパクトに欠ける曲ばかりだったんですが、ついにやってくれましたね。

ブックレットに、黒紫の影が被っていて歌詞が読めない部分があるんですけど、
開始1分、この部分に差し掛かったところで静かだった曲調が突然変わり、
激しいバンドサウンドとMitsukiさんのパワフルな早口歌唱が雪崩れ込んでくる。
この演出が最高なんですよね!まさに「第4の魔女ここにあり」って感じで。
この曲は詞・曲ともに凋叶棕のRDさんが手がけてるわけですが、実に彼らしいやり方です。
数作前からRDさんが一部の歌詞も担当するようになり、なにぶん癖が強いので
少女病ファンからは賛否両論のようですが、こういう詞・曲・デザインが一体となった
表現ができるようになったのは大きいですね。

それ以外の部分についても所々に緩急・静動・拍子の変化などを交えつつ
サビはかっこよく疾走し、申し分のない出来映えです。
3分10秒あたりの弦パートの不穏な調べとか実に少女病って感じだし、
クワイアがところどころで「リフリディア!」って言ってるのも魔女賛歌って感じで良い。
あと、今作は時系列が2→3→1曲目となっているので、3曲目を聴くと1曲目に戻りたくなって
そのままついつい何周もリピートしちゃうんですよね。

今までモヤモヤを感じていた1曲目の印象を一気に吹き飛ばしてくれた
まさにキラーチューンと呼んで差し支えない楽曲です。
個人的には「終幕症候群」「Rusty red」に匹敵するかそれ以上の会心の一曲でした。


02 双生プロヴィデンス

まーた双子か!!と言いたくなること請け合いの一曲。
少女病の中の人双子好きすぎでしょと思うけどまあ双子が嫌いなオタクはいないから……。
この曲はバラードとしてもお話としてもよくある感じのやつなので、あんまり言うことないですね。
1と3が疾走曲なので箸休めとしての役割が大きいと思います。バランスという点では必要不可欠。
メロディはなかなか良いし、声優さんも好みの声質なので聴き疲れしないのが魅力。


03 天巡:終わりにしてその始まり

まーた終わりの始まりか!!と言いた(略
疾走曲でも1曲目とはタイプが異なるのが良いですね。バンドサウンド中心のシンプル編成で、
かっこよさや仰々しさよりも、悲壮な決意や祈りを表に出したエモい楽曲に仕上がっています。
サビメロが非常にキャッチーで歌詞も覚えやすく、脳内リピートが捗る捗る。
「天よ聴け」って歌詞が繰り返されるのがポイントですが、私大好物なんですよね~、
天とか、世界とか、神様とかに向けて恨み節ぶつけるの。
こういうどうしようもない無念をバンバン生産してくれるから少女病って大好きよ。

作曲はピクセルビーさんで、私はRDさんの曲のほうが好みなことが多いんですが、
こういうエモい曲ならやっぱりピクセルビーさんだなー。
これはこれで少女病らしい……少女病でしか聴けない曲じゃないかなと思いますね。


***

なんかこうやって書いてみると1曲目が飛び抜けてる感じになっちゃいましたが、
実際には3曲セットで聴いてナンボって印象です。少女病の作品ってあんまり通しで聴かないから、
シングルとはいえこういう聴き方ができるのは嬉しいことですね。
あとはアルバムでこういう作品が出ればなあ……今後に期待してもいいんでしょうか。

今後といえば、今回のストーリーは今後の展開にも深く関わるとかなんとか書いてましたね。
あんまり少女病のストーリーって覚えてないんですけど、『天巡メルクマール』ってタイトル自体が
重要な伏線っぽい感じはしますね。「天巡」がなにを指すかは色々考えられそうですが、
「セクサリスが目覚めて新たな世界が再生されること」だとすれば、
そのメルクマール(=指標・目印)となる今作は、セクサリス・サーガなる少女病物語の結末に
モロに関わってきそうな気がしますよね。
特にリフリディアは「生きて、生き続ける。――いつまでも。世界が終焉するその時まで」と
決意していますから、彼女の貪欲な生き様が世界の在り方に何か影響を与えるのかもしれません。

まあ、ノベライズもあるみたいだし、次作はいつ出るか全然予想もつかないので、
今後も少女病はのんびり追いかけていこうと思います。
ともかく、少なくとも今作は素晴らしい作品でした。
繰り返しになりますが、少女病の入口に迷ってるなら今作から入ることを強くおすすめします。
プロフィール

Author:borozo

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