同人音楽の感想みたいなレビューみたいなものを書いてます

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[感想] Tåge / Ritorno

Tåge
(2011/05)
Ritorno

公式サイト

◆分類
アンビエント
物語音楽

Ritornoといえばミュージカル風ボイスドラマ・・・なんですが、
なんと今作にはミュージカル要素もボイスドラマ要素もありません。
ストーリー仕立てになっているものの、形式的には普通の音楽です。
ただそれでもなんというか、「劇性」みたいなものは確かに宿っていて、
アレンジはピアノがメイン、ボーカルは1名だけという小規模な編成ながら、
その音空間にはさながら死者の国のような浮世離れした雰囲気が満ちています。

物語は「Cannaシリーズ」に登場する「霧」の成り立ちと、
おそらくは1作目「Canna Duex」の前日譚を描いたものでしょう。
シングルサイズということもあり、ファンディスク的な作品なのだと思います。
「Ritornoらしさ」は確かにあるものの、明らかにイレギュラーな位置づけなので
Ritornoを聴いたことない人はまず「Canna Cinq」と「Zanni」を聴きましょう。
それにしても、1作目を持ってる人ってどれくらいいるんでしょうねー。
かなり入手困難でありながらこのような作品を出すとはなんという生殺し。
でもこれが同人音楽なんだよね・・・一期一会の重みを感じます。

◆曲の感想
01-黒い森を呪った男
ピアノアンビエント風のインスト。ストーリーはブックレットに書かれてる。
それにしてもピアノってこんなに有機的な楽器だったっけ・・・と思うほど
緩急・高低・強弱によってさまざまな表情を見せてくる。
今回人は演技してないが、代わりにピアノが演技してるみたいだ。
今作の排他的な・・・人を寄せ付けない雰囲気は、そういうところから
来てるのかもしれません。

02-霧
引き続きおどろおどろしいピアノアンビエントに女性ボーカルが乗るが、
これがもう、怖いくらいに美しい。ドラマティックなメロディが淡々と歌いあげられていく。
ほんとに死者が歌ってるみたいなんですよね。死人の体温をさして
「氷のように冷たい」とか良くあるけど、印象としてはあんな感じ。
彫刻のような美しさ。そして不気味さ。ほたるさんは前作のラプンツェルでも
素晴らしい歌声を披露してくれましたが今回も凄まじいパフォーマンスです。

03-霧から生まれた少女
多重コーラスが使われ、ほたるさんの歌声がさらに神々しさを増しておる・・・!
この人の無垢で薄幸で献身的な感じの歌声はほんとうに好きだなあ。
アレンジは「私はオフェーリア」の後のフォルテッシモ感(?)が良い感じ。
今作はストーリーの都合上、畳みかけるような盛り上がりポイントはないけど、
こういう、グッとこみあげてくるような演出はやっぱRitornoだなーと。
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[同人音楽感想] Canna Cinq~ある姫君と人形師の話~ / Ritorno

Canna Cinq~ある姫君と人形師の話~
(2010/05)
Ritorno

公式サイト

トラックリスト
01-ハジマリ
02-愛し姫君
03-機械人形
04-人形師
05-昔話
06-場面変更
07-オシマイ

ミュージカル風ボイスドラマ制作サークル、Ritornoの2作目です。
ボイスドラマ…音系同人を席巻する一ジャンルでありながら、私は取っ掛かりが掴めず
ひとつも聴いたことがありませんでした。しかし、Mamyukkaのような例もあるわけだし、
ひょっとしたら隠れた良作が潜んでいるのかも…と自分に合いそうなものを探してみた所、
「ミュージカル風」「メルヘン系世界観」という私好みの要素を持つ本作にぶつかりました。
あまり大きな期待はせずとりあえず聴いてみよう…その程度の心構えだったんですが、
蓋を開けてみればこの作品、とんでもない傑作でした…!

本作はドラマパートと歌パートが混在しており、その比率は大体7:3くらいなんですが、
このうちの歌パートの破壊力が尋常じゃない。なにせメロディセンスが半端じゃないです。
歌謡曲、童謡、民族音楽の要素を混ぜ込んだ極めてキャッチーなメロディが全編に
満ちており、その煽情度の高さは一期サンホラにも匹敵するレベル。
オマケにミュージカル形式ということもあって、ボーカルの掛け合いや合唱などを
交えつつ、そうした超キャッチーなメロディをガンガン重ね掛けしてくるからヤバイ。
「うおー盛り上がる展開だなー」と満足してるところに更に盛り上がるメロディを
当然のように注ぎ込んでくる容赦の無さは、劇的どころか劇物的ですらあります。
7割を占めるドラマパートは箸休めのためにあるんじゃないかと思うくらいに。

いやまあ、本筋であるボイスドラマのパートもなかなかのものなんですよ。
導入こそお転婆なお姫様と無愛想な少年との、ボーイミーツガールの王道を行くような
話の展開をするんですが、登場人物と世界観の設定にある「ヒネリ」が加えられており、
終盤はこの「ヒネリ」が解き明かされていく方向にシフトしていきます。
さりげない伏線の張り方や、世界観がまるごと引っ繰り返るような大胆な真相設定など、
現代ミステリーに通じる仕掛けが何気にあちこちに使われているのが面白い。
まあ少々超展開な気もしますがミステリーじゃないんだし、このほうがドラマティックだし
私はこういうどんでん返しどころかちゃぶ台返しみたいな展開は大好きですよ。
ラストも消化不良気味ですが、これはこれで余韻があっていいとも思います。

ただそれでもやはり、この作品のキモはメロディやドラマティックな曲展開だと思います。
RIAさんという、サークルメンバーの1人が作曲をされているようですが、
まさかボイスドラマという界隈にこんな優れたメロディメイカーが潜んでいようとは…!
音楽はメロディだ!ドラマ性だ!と思っている方は、ボイスドラマはちょっと…とか言わずに
まず聴いてみることをお勧めします。メロディ派にとってのユートピアが広がってますよ。
特に5曲目の「昔話」。この曲は…この曲のラストの劇的さは、ボイスドラマという
形式でなければ決して至れない境地に達しています。是非多くの人に聴いてもらいたい!
ほんっと名盤だと思います。ひょっとすると今年のベストかもしれません。

◆曲の感想
01-ハジマリ
男性と女性の静かな会話から始まり、民族系ゲーム音楽っぽいアレンジの歌パートへ。
ボーカルを取るのは「歌謡い」役の人。甘く包むようないい声ですねー。
歌メロの中にこっそりメインテーマが含まれてるのがニクイ。

03-機械人形
ストーリー的には終始、まったりしたパートなんですが、ラスト3分からの歌パートがやばい。
童謡っぽい明るさとちょっぴりの哀愁のこもった繊細なメロディが
男女ボーカルとコーラスの掛け合いの中で次々と重ねられていく。
メロディの重ね方のセンスが本当にすごいです。何でもない歌詞なのに
油断してると涙が出そうになるんですが…。

05-昔話
この作品には、特別うまい演技をする人も特別歌がうまい人もいません。
ソロパートやセリフパートでは、うーんと思う場面もいくつかありました。
でも、ひとりひとりに足りてない部分があるからこそ、
それらが一つに集約されたとき、ドラマが生まれるのです。
だから、この曲のラストの合唱にこもった圧倒的なエネルギーは
「同人」で「ボイスドラマ」だからこそ生み出すことができたんだと思います。
同人音楽を聴いててよかったと心底思いました。
プロフィール

Author:borozo

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