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同人音楽の感想みたいなレビューみたいなものを書いてます

【感想】 真典セクサリス / 少女病

真典セクサリス
(2022/06)
少女病

公式サイト


少女病のラストアルバム。

私は少女病が大好きなので、
どんな出来であれ感想はなるべく最速で絶対に書くぞと思っていました。

ただ、本作はCF出資者が先行して入手し、一般販売はその少し後になるため、
せめて一般販売の発売日まではじっくり聴いて待ってアップしようかなと思ってたんですが……

はい、我慢できませんでした。

いやねえ、無理ですよ無理無理。
一周聴き終わった後のこの気持ちをさあ、どこにも吐き出さずに5日目も待てなどと。
無理無理、無理です。

なので、細かいことは抜きにして!
今のこのパトスにあふれたメチャクチャな感情のまま!
わたしは感想を書くぞー!オラッ!
構成?考察?知らんわい!愚直に1曲目から順番に感想を書いていくだけじゃ!
全部お気に入りですが赤字は特にお気に入り!ウェイウェイ!

(6/23追記)
ネタバレにはほとんど配慮してないので未聴の方はご注意ください。




01-existence

ザ・少女病の1曲目!みたいな1曲目ですね。
歌詞もメロディもこれぞ少女病!という感じで素晴らしい。
最近の作品は「少女病」さん(主宰の人?)が歌詞を書くことが減っていましたが、
この人の分かるような分からんような変な言葉選びのセンスがやはり好き!

最後のサビの盛り上がりがめっちゃアガりますね~
「受け入れろ 吐いてでも 倒れるな 叶うまで」の部分の
MitsukiさんとLicoさんの掛け合いが熱い。
バックのコーラス部隊も徐々にエンジンかかってラスサビで畳みかけ!実に王道的!
総じて「こういうのでいいんだよ」体現したような曲だよな~これからも聴きまくると思います。

はじめの「最期に相応しい言葉を紡ごう」は、最後の曲の最後の台詞にかかってるのかなーと。
納得しかない。これ以上の言葉は無いわな。


02-不可逆性クロックワイズ

シスフェリアのキャラソンです!
ここから4魔女のキャラソンが繰り広げられるわけですが、要するにこれは
5魔女会談の場で自分が神に選ばれるためのアピール合戦をしてるってことですよね。
オーディションですよオーディション。その光景を想像したらめっちゃ面白くないですか?

で、曲のほうですが、3拍子でちょっと民族風な感じもあり、
少女病としてはわりと珍しい曲調な気もします。深い森を彷徨っているような雰囲気が
シスフェリアの揺れる心情をよく表していると思いますね。

そしてシスフェリアの望みは「巻き戻し」。
……なんというかこの人は望みまで平凡というか人間臭いというか。
アイドルマスターシンデレラガールズでいえば島村卯月みたいなポジションなんだろうなあ。


03-有形悲劇を与えたまえ

きゃーアイリーン様ーーー!
前曲の茫洋とした雰囲気とは打って変わって、竹を割ったようなカッコイイ疾走曲!
どこかヒーローソングっぽさすら漂わせるカリスマ性!
私はアイリーンメッチャ好きなんですよね~。シンプルな邪悪で楽しそうだから。
イントロの重厚な弦も好き。

そういえば、シスフェリア曲には「瓦礫の終音」、アイリーン曲には「深紅のエヴェイユ」が
歌詞に出てきますね。こういう細かいファンサービスにもニヤニヤしちゃう。


04-sacred answer

メリクルベル様のキャラソン!
イントロや曲のそこかしこで不穏なピアノや弦が鳴り響く、怪しい雰囲気の曲ですね。
曲の展開もめまぐるしく変わり、『狂聲メリディエ』でわれわれに様々な世界像を見せてくれた
魔女メリクルベルのつかみどころのないキャラ性が現れている印象があります。

この曲は聴きこむごとに味が出る曲だろうなあー。なんせ『狂聲メリディエ』がそうだったから。
今のところはメリクルベルメリクルベルのどころが耳に残っていい感じです。


05-因果律を灼け少女

最後はリフリディアのキャラソン!
この曲は小説版を読んでないと意味がよくわからないかもしれませんね。
結局拒絶されるジーナちゃんおいたわしや……

全体的にスローテンポのバラードですが、
地の底から這いよるようなMitsukiさんの低音パートやギターソロなど、
徐々に暗黒に飲み込まれていきながらドラマティックに盛り上がる展開が良いですね。


06-筋書き通りの運命劇詩

なぜかルクセインのキャラソン!!!???
お前魔女ちゃうやろ何しに来たと言いたくなる構成ですが、
この曲がめちゃくちゃ疾走するバチクソカッコイイ曲なのが困る!!
ルクセイン、お前マジでついにヒーローになるんか!マジか!と一瞬信じてしまうような
マジでカッコイイ曲でやばすぎる。
「最後に傷つくのは、俺一人でいい」とかめっちゃクサイけどかっこいいよルクセイン君!

そしてラスサビの歌詞がさらにかっこよくて身震いしちゃったわ!
”少年"ってお前!!少年!「少女病」を救うのは「少年」なのか!そうか!!
ってはじめてこの曲聴いたときテンションぶち上がっちゃったわ!
まあ次の曲でルクセイン君死ぬんだけど。


07-ラストピース

ここから話がクライマックスに向かっていきます。
語りが増えてきていつもの少女病らしくなってきますが……情報量が多い多い!
このへんの曲は1回や2回聴いたくらいじゃ消化できないですが、
「星謡の詩人」の歌詞やメロディが出てきたり、
「この罪は五つの穢れた残骸と共に」とか「行くよ、セクサリス」とか、
シリーズファンにとっての胸熱展開が盛りだくさん。

そして第5の魔女の正体もここで明らかになるわけですが…いやーこう来ますか!
ひとつ前の記事にも書いた通り、私は第5の魔女をアナスタシアと予想していて、
しかし発売前情報ではセクサリスになっていてアレ?って思って、
「セクサリス=第5の魔女」を前提によくわからん考察みたいなこともしていましたが、
なるほどこういうことですか!!
アナスタシアだけがセクサリスの姿と名前を認識してたり、セクサリスもアナスタシアのことを
気にしていたり、色々伏線もありましたが、そうか、そう来るか~~~!


08-魔女と神の輪廻

五魔女オーディション最後のアピールタイム!って感じの曲。
四人の魔女がころころと歌いまわしていく展開も楽しいですが、
やはり終盤がいいですね!アナスタシアとセクサリスの想いがひとつになったような
MitsukiさんとLicoさんのデュエットが美しいです。
「この世界に未来を与えたい」なんてワードが少女病作品から出てくるとはなあ。


09-to you

ああーやっぱりセクサリスループ説だったか!となって最初聴いたとき
曲が頭に入らなかったです!前の記事を上げる時書くか書くまいかメッチャ迷って
書かなかったんですけど、書いとけばよかったな!どうだ当たったぞってドヤ顔できたのに。
まあ伏線はちゃんとあって、「セクサリス」の歌詞を見るとループしてるとも読めるんですよね。

しかしなあ。
「如何に面白い御伽噺を描けるか。読み手が、望む刺激を求めて脚色していったのだ」って。
言われてるぞ君ら。いや私もだけどな!

性悪な物語を求め続け、セクサリスちゃんの顔がどんどん曇っていくのを愉しむ
セ虐が少女病世界では流行っていたのだろうか…うふふ

ところで、最後の1分半くらいの歌はなんでしょうね。
「これが本当の終焉の歌」とのことですが……天使語?


EX-???

ブックレットでは塗りつぶされていて曲名不明の語りのみのトラック。

「大切な物語が他にもたくさんあるんでしょうね。そのすべてを犠牲にして私が生まれた」
「そして私がこの記憶を思い出すことを、あなたがたは望んでなかったんでしょう」

このへんの語りは、いろいろ考えてしまいますね……
そうだよ、終わってほしくねえよ


10-genesis

いや、この曲……ずるくないですか???
だって、だってさあ、最後の作品の、最後の曲の、最後の30秒であんなこと言われたらさ。
そんなもん忘れられるかよ!ってなるでしょ。ずるいよ少女病。
今まで「作者の言葉」や「作者のお気持ち」を発信することもほとんどなく、
愚直に物語を重ね続けた少女病がさあ、最後にあんなこと言うんだよ。

「あなたはもういないけれど 無数に奏でた 旋律はrefrain 鳴り止まない」
「旋律は大なり小なり感情を揺さぶって 無自覚に心に居座り続けるから」


こんなん言われたらさあ、無理でしょう。泣くよこんなもん!
いやそうなんです。そうなんですよ。これこそが音楽なんですよ!音楽の本質!
音楽って終わらない物語なんですよ、何回も何回も聴き返して、たとえ飽きて聴かなくなっても
ふとメロディを思い出して当時の記憶に思いを馳せたりね。
そういうことをさあ、最後の最後にかっこよく言い残して消えていくんじゃねえよ!ちくしょう!!
ずるいぞ!!

この曲のせいで、私の中で少女病はずっと生き続けることになってしまいました。
こうやってまた、人生で抱える病が増えていくのだ……。



◆終わりに

私が少女病の存在をはじめて知ったのは、私がサンホラ信者として2chのサンホラスレに居たころ、
スレ住民が「サンホラっぽいことやってるサークルがあるぞ!」とリンクが貼られたときでした。
それが『偽典セクサリス』で、「語りがあらまりに似すぎwww」とか
「この曲緋色の風車のパクリやろwww」みたいにスレ住人からは嘲笑われていたのを覚えています。
私自身、当時は生粋のサンホラ信者だったため、いい印象はなく、『偽典セクサリス』は
買わずにスルーしたんですよね。

なので私がはじめて買った少女病作品は『葬月エクレシア』でした。
このころはもう、バンドサウンドと弦楽四重奏主体のシンフォニックロックとして、
少女病サウンドが確立されていて、「これはこれで良いな!」って思ってました。

のめり込むようになったのは『告解エピグラム』のときからでしょうね。
このあたりから物語・コンセプトアルバムとして凝った構成の作品が出てくるようになりましたから。
そっから『慟哭ルクセイン』『残響レギオン』『聖骸メロフォビア』でストーリーの大きな流れができて、
ルクセインやアナスタシア、魔女たちなどキャラ達のことも大好きになりました。

そして目を見張ったのが『狂聲メリディエ』。これは本当に名盤中の名盤だと思っていて、
物語音楽にカテゴライズされる作品の中では確実に私の中では三本の指に入ります。
魔女メリクルベルの造形が本当に魅力的で、聴いても聴いても発見があり驚いたものです。

ただ、その前後から制作ペースががくっと落ちて、何年も新作が出なくなって、
諦めかけていたところにこのラストアルバムのCFの存在を知りました。
嬉しかったですね~。
私は「完結させること」が必ずしも美徳だとは思っていませんが、
それでもね、10年追い続けたシリーズを、ボロボロになりながらも終わらせてくれるのは
本当にうれしかった。

だから最後の作品の出来が微妙でも(もちろん期待はめちゃくちゃしてましたが)
受け入れるつもりだったし、絶対感想も書くって決めてました。

でもね、みなさん。
この出来、この完成度ですよ。本当に素晴らしいですよ。
特に最後の「genesis」、これには制作者の魂がこもっています。
こもりすぎて、呪いのようにすら感じられる1曲です。
わたしは少女病のことを死ぬまで忘れないでしょう。

この作品に出会えてよかった。少女病に出会えてよかった。物語音楽を好きでよかった。
素敵なシリーズを、素敵なストーリーを、素敵な作品をありがとうございました。
またいつか、別のシリーズでも、別のサークルでも、出会える日が来ればいいなと、
そう願っています。

少女病ラストアルバム発売前に情報整理とか


真典セクサリス特設サイト

少女病ラストアルバム、一般販売開始まであと1週間ですね!

先週まであんまり実感がなかったんですが、特設サイトのカッコイイセクサリス様を眺めたり、
小説版を読んだり、過去作を聴き返したりしてるうちにだんだん気持ちが盛り上がり
完結作が気になりすぎて頭がグルグルしてきたので、ここにいったん吐き出しておきます。

最初はちょっとした情報整理のつもりだったんですが、
このタイミングでコロナの濃厚接触者になってしまい、自宅待機で時間ができてしまったため、
なんかたくさん書きました。
予想めいたこともけっこう書いてますが、半分以上願望みたいなもので当てる気はないです。

まあこういう楽しみ方って作品が頒布されて未来が確定しちゃうとできないことなので、
今のうちに好き放題書いておこうかなと。
なんせ10年以上追いかけたシリーズですからね。擦れるだけ擦ってやるぞ!



◆第5の魔女について

かれこれ10年くらい引っ張ってた第5の魔女の正体ですが、発売前情報で概ね推測できますね。

・ジャケ絵のセクサリスの眼の色が変わっている
・CF特典ジャケットイラスト(If世界 5魔女のお茶会)にセクサリスがいる

この2点からまあセクサリスなんだろうなと。眼の色については最初ピンと来なかったんですが、
小説版に眼の色彩で魔女を判別するシーンがあってああ~ってなりました。

第5の魔女の正体については私はけっこう前からアナスタシアだと思ってたので、
セクサリスは完全に予想外でした。むしろ真っ先に候補から外したくらいです。

セクサリスを候補から外した理由はいくつかあるのですが、最大の理由は次の2点

・魔女は「神に見出され、人から成りし存在」であること。
・セクサリスは観測者ポジションであり、他の登場人物とは存在するレイヤーが違うこと。


「遥か昔に滅びた星々の記憶が少女の形をとった存在」という設定であるため人ではないし、
魔女となって物語に直接干渉するのは観測者たる彼女の役割ではない。
セクサリスが魔女になってしまうと設定や物語が破綻しそうだから候補から外したんです。

このような否定材料がありながら、それでもなお物語はセクサリスを第5の魔女に据えた。
これは何を意味するのでしょう?



◆セクサリスについて

そもそもセクサリスってどういうキャラなんでしょうか。
双葉リボンのビジュアルとか、「世界の記憶そのもの」って設定は周知されていると思いますが、
性格や目的など、設定以外のことは私はあまり意識したことなかったんですよね。

ただ今回セクサリスがかなり重要なポジションになるっぽいので、
改めて彼女の、特に性格や動機、目的を示す描写についておさらいしておきます。

まず、『偽典セクサリス』の「星謡の詩人」の歌詞より。



絶望も希望も 何も知らずあらかじめ喪い 透き通った存在

仮象の魂 内なる声  自己を確立するための記憶 巡って 夢を見る 

「全ての断片が揃ったらこの喪失感も消える?」



以上の描写で重要なのは、セクサリスは変化(あるいは成長)する存在であるということです。
はじめは滅びた星々の記憶に由来する「喪失感」だけを持った「透き通った存在」ですが、
夢を巡る(物語の欠片を集める)ことで、自己を確立する(成長する)ことができる。
そして全ての物語の欠片を集めれば、もともと持っていた「喪失感」を手放すことができる。

「喪失感」を手放すということは「滅びた星々の記憶」を手放すとも考えられないでしょうか。
そして「滅びた星々の記憶」を手放せば、残るのは物語の欠片を集めて、自己を確立させた
「セクサリス」という人の形をしたキャラクターだけ。

つまり、少女病の物語には、セクサリスちゃん育成ゲームみたいな側面があるのでは?
「いろんな物語を与えて、キミだけのセクサリスちゃんを育成して喪失感から解放させてあげよう!」
みたいな。

そう考えると、セクサリスの変化を追っていくのが完結作のヒントになると思うんですよ。

というわけで、次行ってみましょう。
『残響レギオン』初回特典の小冊子「セクサリスの見た風景」より。



「あーあ。どうせセカイは終わるのに……」
「無様な道化が群れをなすよ。みんな、笑うフリだけでもしてあげて。ふふっ」

「どんな言葉の羅列にも心動くことなんてないけれど。その光景は少しだけ――」

「私は全てを見届けるわ、フランチェスカ。ふふっ、私の姿を捉えられたのなら、
いつか交わることもあるでしょう。けれどそれはまた、別のおはなし――」




ずいぶんと感情豊かになったなあセクサリス様!
「どうせセカイは終わる」という終末思想は、彼女の持つ「喪失感」に由来するものでしょうが……
性格の悪さとか冷笑的な態度はだいたい少女病のせいだと思う。
あんなろくでもない話ばっかり見せられたらそりゃ歪みますよ。仙水忍みたいなもんです。

また、フランチェスカに対する同情とか、感傷のようなものも窺えますね。
この時のセクサリスには、喪失感だけでない、人間的な感情が芽生えていることが分かります。

あとは「全てを見届ける」と言っているように、この時点での彼女はあくまで観測者ポジを崩さず、
フランチェスカに姿を捉えられたくらいで、物語の登場人物にはまったく干渉していません。

そして最後。小説版『天巡メルクマール』より。



「あなたは、どうするつもり。己の運命。それを目の前にして」
「帰りなさい、あなたの父の元へ」
「……そう、そうなの。そうよね……止めようがないのよね」




なんとセクサリスが人間と会話をしています。
しかも、破滅的な運命に足を踏み入れようとするその人間に忠告をし、
運命が変わらなかったことに落胆する様子まで見せています。

小説版の本筋のストーリーとはあまり関係がないこのシーンですが、
本筋と関係がないからこそ、重要な伏線だと思うんですよね。じゃなきゃ書く意味がない。

観測者ポジに徹していたセクサリスが、物語の登場人物に干渉し、
あまつさえ運命を変えようと行動している。
ここでの心境の変化が、セクサリスが第5の魔女になることに繋がるのではないかと。
私はそう考えています。

なお、小説版メルクマールは『残響レギオン』よりも過去の話ですが、
セクサリスは物語を時系列ではなく少女病作品のリリース順に見ていると私は踏んでいるので、
セクサリス視点ではこの話は残響レギオンよりも後であると考えています。



◆再び第5の魔女について

ここで、セクサリスが魔女になる展開のネックと感じていた設定をもう一度見てみましょう。

・魔女は「神に見出され、人から成りし存在」であること。
・セクサリスは観測者ポジションであり、他の登場人物とは存在するレイヤーが違うこと。


この2点、さっきの内容を踏まえると「なんかいけるんじゃね?」って気がしてくるんですよ。

「人から成りし存在」という点については、セクサリスが人の形をしていること、
作品が進むにつれて、「人間」に接近してきていることからクリアできそうですし、

「観測者ポジション」についても、小説版の描写からセクサリス自身が物語に干渉する意思を
見せているので、魔女になる=物語の登場人物になることにも違和感はなくなります。

セクサリスの設定を丁寧に紐解くと、第5の魔女になるのもありえる展開だと
納得させてくれるのは面白いですね。

ただ、一点だけ引っかかるところがあります。
それは「魔女は自分の意思とは関係なく、神に見出されることによって成るものである」ということ。

つまり、セクサリスを魔女に見出す「神」なる何者かが存在するということであり、
「神」とは何者なのか?という謎を避けては通れないということなのです。



◆神について

というわけで既存情報から「神」の正体を考えてみるんですが、正直なところね、既存キャラの中で
セクサリスを魔女にできるような「神」の役割をこなせる人物なんて一人しか残ってないんですよ。
そう、ミルリーナです。

ミルリーナは『偽典セクサリス』の「星謡の詩人」の名前が出てくるキャラで、
「星謡の詩人」と「セクサリス」の歌詞ではこのように描写されています。



少女の夢から 記憶を詠みあげ 静かに紡いで 識る星音
時と時の狭間 彼方詠うのは 詩人ミルリーナ


記憶から描き出していきたいんだ 夜の来ないこの場所でゆっくりと 欠片集めて……

紡ぎ手は詠い 夢を語る 再生のための終わりを



セクサリスの夢(記憶)を紡いで物語として出力しているのはミルリーナということでしょう。
物語とは「少女病の楽曲群」のことです。
小説版メルクマールにミルリーナ詩編「黒紫の影」として「黒紫のオーンブレ」の歌詞が
そのまま引用されているので、この点は間違いないでしょう。

ミルリーナに関しては描写が非常に少なく、情報がほとんどないので
私もさほど重要視してなかったんですが、小説版メルクマールにおける
セクサリスの台詞を見ると、ちょっと無視できない存在なんですよね。



「……リーナ。」
「ええ…あ……た………でしょ……」
「――…う、リーナ……が、だい……の。――その力は……生。きっと……ええ、わかって……れど、どうせ……わるのに……」




これはセクサリスが壁に向かって「リーナ」と呼ぶ見えない何かと会話しているシーン。
作中には「イリーナ」という人物もいますが、イリーナがセクサリスと会話するのは流れ的に変なので、
ここの「リーナ」はミルリーナの愛称なのではないか?と推測できます。

会話の内容についてはあまりにも伏字が多いのでよくわかりませんが、
最後の「わかって……れど、どうせ……わるのに……」は、
「わかっているけれど、どうせ世界は終わるのに」でしょうね。
「……生」は「再生」かな?

で、このシーンの直後に、さきほどの「人間に忠告するシーン」が来ることを踏まえると、
「セクサリスは世界が終わるという結末は決まっているから人間に干渉したって意味ないと
思っているが、ミルリーナにけしかけられて仕方なく忠告してみた」
という流れなのかな?という想像もできます。

そしてセクサリスが物語へ干渉することをミルリーナが望んでいるすれば、
ミルリーナにはセクサリスに魔女の力を与える動機があるってことです。
セクサリス様に魔女になって無双してほしい!というミルリーナの願望が
彼女を第5の魔女にさせた……とかどうでしょう。
ミルリーナは物語の作者というか、セクサリスの夢の二次創作者みたいなポジションなので、
「神」がやっていることくらいはできるだろうし、
ちょっとくらい自分好みに改変してもええやろ?と悪ノリしちゃうこともあるんじゃないでしょうか。

なお、魔女は「それぞれ異なる神に見出される」という設定があるので、
他の魔女には他の神がいるわけですが、「星謡の詩人」=「神」であるならば、
ミルリーナ以外にも「詩人」が存在していると仮定すれば一応説明はつきます。
それぞれ詩人の推しキャラ=魔女とか……まあさすがに強引かな?



◆結末について

少女病作品って、たぶん『偽典セクサリス』の時点で物語の結末は決まってたと思うんですよ。
「セクサリス」に次のような歌詞があります。



「夢から覚めるとき この世の果てにある ここからあたらしい 世界が生まれ 終わりの先へ繋がる」

「ここからまたいつの日か、世界ははじまっていくのだろう。少女の見る夢から再生される、新たな星」
『その世界の名は、セクサリス』
「今はまだ、永い夢の中に眠って……」




『真典セクサリス』のラストトラックが「genesis(創世)」なので、
セクサリスが夢から覚めて、新たな世界が作られるのが結末なんでしょう。

『偽典』とは、セクサリスの夢の世界のこと。
『真典』とは、目覚めた後の新たな世界「セクサリス」のこと、とか。
ジャケ絵にもそれを示唆するデザインがいくつかあります。

【一般販売版ジャケ】
・『偽典セクサリス』と『真典セクサリス』のロゴデザイン
 真典のロゴは偽典によく似てますが、開いた本から羽が飛び出すモチーフが追加されています。
 開いた本=旧世界、羽=新世界 でしょうか。

・散らばる本のページと蝶
 これもロゴと同じで、散らばる本=旧世界の終わり、蝶=羽化のイメージ、新世界への旅立ち、
 「胡蝶の夢」のイメージもあるのかも?

・満ちる月
 物語の欠片が集まり、ひとつの星(新たな世界)ができるイメージ?

・背景の枯れた木
 これは同じものが『蒼白シスフェリア』のパッケージ裏に描かれています。
 そこにもセクサリスがいることから、ここはセクサリスがいる場所……終末の風景なのかも。

【メロンブックス版ジャケ】
・背景の木
 よく見ると、一般販売版ジャケに書いてある枯れた木と同じような形をしているような。
 ここが新しい世界におけるセクサリスの居場所なんでしょうか。

・黒髪の女性
 今までのジャケ絵等には出ていなかったキャラなので、これがミルリーナなんでしょうか。
 なんか赤子みたいなのを抱いていますが……これミルリーナの願望なんじゃね?
 この世界を手繰り寄せるために今までせっせと物語を作ってたんだとしたら、
 クレイジーな百合っ子が沢山出てきた少女病の中で、最後にとんでもない大物が出てきたことに!



◆その他・まとめなど

気づけばめちゃくちゃ長くなってしまったのでこのへんにしておきます。
他にも気になることメッチャあるんですけどね。
アナスタシアや魔女たちの末路とか、セクサリスの出自とか、ルクセイン君は活躍できるのかとか。

あと、先行公開されている「existence」の歌詞は実に少女病らしい迂遠さがあり、
分かるようで分からない絶妙なバランスになっているのがいいですね。
「崩落のcharade」「品種改良されたFAKE」
「世界仮説偽証」「世界記憶が暗示するように巣食う病理」……

なんとなく「嘘」がフォーカスされているような印象があり、また「星謡の詩人」のフレーズが
引用されていることから、『偽典』と絡めて既存情報を覆す何かが出てくるような気もします。
積み重ねてきたものを豪快に崩すのは少女病の得意技ですからね~。

「existence」は曲も実に少女病らしくて、何回も聞いてしまいますね。
今回はRD-soundsさんが全曲担当しているので複雑かつ長尺の曲が
ズラっと並ぶ気がします。ピクセルビーさんが参加していないのは少し寂しいですが、
コンセプトアルバムを作ることにかけてはRD-soundsさんは折り紙付きですからね~。
物語もそうですが、楽曲面でもとても楽しみです。

それにしても……本当に終わってしまうんですよねえ。
終わらせてくれるのは嬉しいですが、終わってしまうのはやはり寂しいもので。
ただね、音楽というのは一度聴いたら終わりじゃありませんから。
聴き返せば何度でも出会え、蘇るのが音楽の魅力です。
あと1週間、それから先もずっと。
物語音楽のファンとして、少女病のファンとして全力で楽しんでいこうと思います。

【感想】 狂聲メリディエ / 少女病

狂聲メリディエ
(2015/08)
少女病

公式サイト


少女病の2ndメジャーアルバム。
1stの『残響レギオン』から4年半、直近アルバムの『創傷クロスライン』からは3年という、
長い空白期間を経てのリリースだっただけに、前評判も不安半分期待半分、
リリース後の評価も賛否両論はっきり分かれた作品だったように思います。
正直なところ、私も第一印象はあんまり良くなかったですね。
「廃園イデア」の引きが最高だっただけに、どうにも肩透かし感があって。

ただまあ、これは断言しますけど、今作は考察が面白いです。
間違いなく少女病で一番面白い。
少女病作品の魅力のひとつに「シンプルで分かりやすい悪辣なストーリー」
というのがありますが、その「悪辣さ」が今までよりも多層的に描かれているのがポイント。
歌詞を一読しただけでは見えなかった部分が、聴き込み読み込みを進めるうちに
だんだん見えてくるようになる快感……まさに私が好きなタイプの作品です。

ほんとは考察記事を上げるつもりだったんですが、たらたら説明を書いてると
どうしても野暮ったくなってしまうので断念しました。
いちおう、方向性としては「メリクルベルの目的と思考」を中心にして
「自作自演説」「クレイジーサイコレズ説」「語り手黒幕説」「神への反逆説」
という4つの解釈を立てて云々、というのを書いてたんですけどね。
考察とは言いがたい妄想・願望レベルの内容も多かったのでお蔵入りです。
二次創作のネタとしては面白いと思うので、私にその能力があれば書いたんですけど。

まあ、とにかく色々な解釈ができて楽しい作品であることは間違いないです。
「不完全犯罪依存」「観客」「世界像」「偽幸者」「リンゴ」あたりのワードが
何を意味し、誰を対象としているのか……それを考えるだけでも楽しい。
中心にいるのはやっぱりメリクルベルで、彼女はなかなか奥ゆかしい人物ですよ。
言動は清々しいまでにヒールですが、「そのように振る舞っているだけ」と考えると、
途端に愛おしさが湧いてきますからね。
捉えようによっては最後の「多分、ね」や高笑いが全く別の意味に聞こえるようになるわけで。

スルメ盤という言葉がありますが、今作はまさにそれ。
解釈を重ねるごとに曲自体の印象もどんどん良くなっていくという。
これを全部計算ずくで作っていたら相当凄いと思うんですが、
正直それは微妙かなーという気もします。偶然の産物のような気が。
とはいえ新作も良かったですし、下火傾向の物語音楽を牽引する存在として
少女病には今後も気を吐いてもらいたいですね。


以下は曲の感想です。


01-不完全犯罪依存症

良くも悪くも今作を象徴するような曲。
最初聴いたときはいきなり五魔女会談なるものが始まりポカーンとなるけど
歌詞が馴染んでくると後半からの加速感が気持ちよくなってくる。
物語と書いてわざわざ<ストーリア>と読ませる中二ぶり、最高ですよね。
あとケンカの仲裁をするアイリーン様が萌えキャラ。

考察においては、「第一の魔女」であるシスフェリアが「新参の魔女」なのが何気に重要。
魔女のナンバーは魔女に選ばれた順番でつけられているわけではなく、
物語の語り手が意図的に決めているということになりますからね。
「語り手黒幕説」はこのへんが取っかかりになってたり。
少女病作品の語り手は『偽典セクサリス』でキャラクターとして示されてるので、
単なるメタ解釈ではないですよ。いちおう。


06-Still Unforgiven

RD大先生がノリノリで歌詞書いてるのが伝わってくる曲。
「何度も何度も頭を振って~」のくだり、フィーナさんが髪振り乱してヘドバンしてる様子が
浮かんできてつい笑ってしまうという。

この曲もねー、メリクルベル(メイメイ)の悪意というよりは語り手の悪意が強いんですよね。
フィーナの物語を『告解エピグラム』としてパッケージにしてるからこそ
この話は救いようが無くなるわけで。そもそも「Still Unforgiven」というタイトル自体がアレだし。
もしかしたらフィーナの未来はホントにメイメイが示したとおりで
メイメイは親切で言ってやってるだけかもしれんのですよ。
どうもね、この作品全体がメリクルベルを悪役に仕立て上げようとしている気がして、
そういう薄気味悪さがあるから解釈という名のこじつけを色々考えたくなる。


08-偽りなき聲

RD大先生がノリノリで(略
最初聴いて思ったのは「あこれ『The beautiful world』だ」でしたね。
メリクルベル=八雲紫だし『狂聲メリディエ』は『辿/誘』だわーという凋叶棕信者らしい感想。

この曲で描かれているメリクルベルとメイメイの関係をどう解釈するかってのが
今作のストーリーのキモですね。メイメイがメリクルベル溺愛しまくってるのは伝わるが
メリクルベル→メイメイの気持ちはほとんど描かれてないのがポイントだったり。
双方向の百合か一方通行の百合か、という……ここで一方通行とした場合が
「クレイジーサイコレズ説」になります。もちろんメイメイがクレイジーサイコレズです。


09-狂聲ドミナシオン

テンション高い曲だけど会食シーンだからなこれ!?
飯食う場面なのにドコドコドラム鳴らして疾走するのが面白すぎる。


10-最終楽章:魔女と七人の美しい少女

歌詞の捉え方によって印象ががらりと変わる曲。
ミリリ視点ぽいけどメリクルベル視点でも成立する歌詞が面白いですよね。
偽幸者、ショーケース、観客、毒リンゴ、世界像……このあたりのワードの多重性がたまらんのです。
そして最後の台詞と高笑い……あの笑いは誰に対する笑いなんでしょうねえ?

【感想】 天巡メルクマール / 少女病

天巡メルクマール
(2016/07)
少女病

公式サイト


はい、みんな大好きガールズディズィーズさんですね。つい先日に発売した新作シングルです。

第4の魔女の物語……とのことなんですが、「え、もう??」というのが
新譜情報見たときの率直な感想でしたね。第3の魔女のときはさんざん待たされましたし、
こんなに早く新譜が出るとはまったく思ってなかったので。
嬉しいといえば嬉しいのですが、ストーリーの補完をノベライズ任せにしていたり、
公式サイトの書きっぷりがさっさと話畳んじゃおう感満載だったりと、
正直これはあまり期待しない方がいいのかなと発売前は警戒してました。

ただまあ、やっぱり音楽というやつは実際に聴いてみないと分からないものですね。
今作、かなり良い出来です。歴代作品のなかでも上位に来るんじゃないかな。
特に、少女病を知らない人に入門用として勧めるなら最高の作品だと思います。
短い中に少女病のエッセンスがまとまってるし、話も綺麗に完結しているし。
過去作の予備知識がほとんど必要無いのも大きいですね。
「少女病って気になってるけど沢山あってどれから聴けばいいの~?」って人がいたら、
私は絶対に今作を勧めます。今までなら『残響レギオン』を勧めましたけどね。
レギオンは終盤が気持ちいいけど中だるみするし、特に説明なくルクセイン君が出てくるので。
取っつきやすさなら圧倒的にこちらが上でしょう。

では、具体的にどういった点が優れているか。1曲ずつ見ていきましょう。


01 黒紫のオーンブレ

少女病の1曲目らしい、ストリングス・クワイアを交えた重厚編成の疾走シンフォニックロックチューン。
これね、私は今までで最高の1曲目だと思うんですよ。
少女病の1曲目って派手だけど、物語の概要説明みたいな内容が多いせいか
どこかインパクトに欠ける曲ばかりだったんですが、ついにやってくれましたね。

ブックレットに、黒紫の影が被っていて歌詞が読めない部分があるんですけど、
開始1分、この部分に差し掛かったところで静かだった曲調が突然変わり、
激しいバンドサウンドとMitsukiさんのパワフルな早口歌唱が雪崩れ込んでくる。
この演出が最高なんですよね!まさに「第4の魔女ここにあり」って感じで。
この曲は詞・曲ともに凋叶棕のRDさんが手がけてるわけですが、実に彼らしいやり方です。
数作前からRDさんが一部の歌詞も担当するようになり、なにぶん癖が強いので
少女病ファンからは賛否両論のようですが、こういう詞・曲・デザインが一体となった
表現ができるようになったのは大きいですね。

それ以外の部分についても所々に緩急・静動・拍子の変化などを交えつつ
サビはかっこよく疾走し、申し分のない出来映えです。
3分10秒あたりの弦パートの不穏な調べとか実に少女病って感じだし、
クワイアがところどころで「リフリディア!」って言ってるのも魔女賛歌って感じで良い。
あと、今作は時系列が2→3→1曲目となっているので、3曲目を聴くと1曲目に戻りたくなって
そのままついつい何周もリピートしちゃうんですよね。

今までモヤモヤを感じていた1曲目の印象を一気に吹き飛ばしてくれた
まさにキラーチューンと呼んで差し支えない楽曲です。
個人的には「終幕症候群」「Rusty red」に匹敵するかそれ以上の会心の一曲でした。


02 双生プロヴィデンス

まーた双子か!!と言いたくなること請け合いの一曲。
少女病の中の人双子好きすぎでしょと思うけどまあ双子が嫌いなオタクはいないから……。
この曲はバラードとしてもお話としてもよくある感じのやつなので、あんまり言うことないですね。
1と3が疾走曲なので箸休めとしての役割が大きいと思います。バランスという点では必要不可欠。
メロディはなかなか良いし、声優さんも好みの声質なので聴き疲れしないのが魅力。


03 天巡:終わりにしてその始まり

まーた終わりの始まりか!!と言いた(略
疾走曲でも1曲目とはタイプが異なるのが良いですね。バンドサウンド中心のシンプル編成で、
かっこよさや仰々しさよりも、悲壮な決意や祈りを表に出したエモい楽曲に仕上がっています。
サビメロが非常にキャッチーで歌詞も覚えやすく、脳内リピートが捗る捗る。
「天よ聴け」って歌詞が繰り返されるのがポイントですが、私大好物なんですよね~、
天とか、世界とか、神様とかに向けて恨み節ぶつけるの。
こういうどうしようもない無念をバンバン生産してくれるから少女病って大好きよ。

作曲はピクセルビーさんで、私はRDさんの曲のほうが好みなことが多いんですが、
こういうエモい曲ならやっぱりピクセルビーさんだなー。
これはこれで少女病らしい……少女病でしか聴けない曲じゃないかなと思いますね。


***

なんかこうやって書いてみると1曲目が飛び抜けてる感じになっちゃいましたが、
実際には3曲セットで聴いてナンボって印象です。少女病の作品ってあんまり通しで聴かないから、
シングルとはいえこういう聴き方ができるのは嬉しいことですね。
あとはアルバムでこういう作品が出ればなあ……今後に期待してもいいんでしょうか。

今後といえば、今回のストーリーは今後の展開にも深く関わるとかなんとか書いてましたね。
あんまり少女病のストーリーって覚えてないんですけど、『天巡メルクマール』ってタイトル自体が
重要な伏線っぽい感じはしますね。「天巡」がなにを指すかは色々考えられそうですが、
「セクサリスが目覚めて新たな世界が再生されること」だとすれば、
そのメルクマール(=指標・目印)となる今作は、セクサリス・サーガなる少女病物語の結末に
モロに関わってきそうな気がしますよね。
特にリフリディアは「生きて、生き続ける。――いつまでも。世界が終焉するその時まで」と
決意していますから、彼女の貪欲な生き様が世界の在り方に何か影響を与えるのかもしれません。

まあ、ノベライズもあるみたいだし、次作はいつ出るか全然予想もつかないので、
今後も少女病はのんびり追いかけていこうと思います。
ともかく、少なくとも今作は素晴らしい作品でした。
繰り返しになりますが、少女病の入口に迷ってるなら今作から入ることを強くおすすめします。

[少女病] 創傷クロスラインのこと

夏コミに参加された皆さん、お疲れ様でした。
私も今日さっそく日本橋を徘徊して目的物を回収してきましたぜ。
今回はレスポンスを早くしていきたいと思ってるので、まずは聴きたてほやほやの
創傷クロスラインの感想を書いておこうかなと。いわゆるファーストインプレッション。
ストーリーのネタバレしまくるので未聴の人はご注意を。

とりあえず曲として一番気に入ったのは「感傷ロストライン」ですかねー。
終幕症候群、Rusty Red直系のRD-Sounds伝家の宝刀二段サビ、
相変わらずのどうしようもなくひどいストーリーにラストの叫び声まで実に甘美だ。
次点で「眠り姫と夢の空想儀」「運命旋律の共鳴する丘」「廃園イデア」あたり。
少女病は音楽的にはほぼ固まってる感はあるので大きなサプライズはなかったかな。
ただ「運命旋律の共鳴する丘」には過去の曲のモチーフがたくさん使われていて、
こういうのは面白いなーと。伏線が収束していくさまが音楽の上でも表現されており、
実に熱い演出です。今後はこの手の試みも増えてくるんじゃないかなー。

お話のほうは概ね予想通り・期待通りの流れだったのでこちらも満足です。
第3の魔女メリクルベルさんも相当に根性ひん曲がってそうで素敵ですね。
それもかなりの演出家だ。アイリーンさんもなかなかだったが、こいつは
更に手が込んでいる・・・つーか最近私らが熱いと思ってる「伏線の回収」さえ
メリクルベルさんのお遊びの一環なんじゃないですかね、これ。
「全てのラインはいつか一つに繋がって。その先にはどう足掻いても死しかない。」
いやー、ゾクゾクしますねー。次の作品(たぶん商業アルバム)はひどいことになるぞー。
とりあえず告解エピグラムのお話が好きな人は覚悟しておいたほうがいい。
あそこでフィーナさんが出てきた以上、エピグラム後に彼女が歩んだルートが結局
「無為の羽音が壊した明日」だった(魔女の手先に薬漬けにされて手篭めにされた)
可能性が非常に高いし、それどころか「告解エピグラム」自体が魔女さんによる
壮大な前フリだった可能性さえあるわけで。あの作品は希望のある形で結末を迎えたけど、
希望をちらつかせて突き落とす、ってのは嗜虐趣味の基本中の基本ですからね。
「道を間違えるな、って言ってもらったのに・・・」ってセリフはミリリのものだけど、
この流れだと過去にフィーナも同じことを言ってそうですよね。
「告解の館で導いてもらったのに、私、なんで・・・」って感じで。
二人が似た境遇だとすると、ミリリも同じ目に遭って薬漬け洗脳されるんじゃないかなー。
そんで次回は魔女の手先として登場、みたいな。いわゆる悪堕ち。
少女病の中の人はホンマ筋金入りのサディストやでぇ・・・

まあこんな感じで、創傷クロスライン良かったですね。
次作へのプロローグという趣向が強い以上、単体での出来はレギオンやメロフォビアには
敵わないかなと思うけどそれは仕方ない。そのぶん次への期待が湧いたというものです。
とりあえず今回で「今まで貯めた伏線を全部台無しにする伏線」が張られたので、
それなりの覚悟をもって次作に臨むべく聴き込んでいこうと思います。
ああ~実に楽しみです、色々な意味で!破滅の美学には誰も逆らえない・・・!
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