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[同人音楽感想] シンフォニック東方Ⅱ/ 5150

シンフォニック東方Ⅱ
(2009/12)
5150

公式サイト

トラックリスト
01-シンフォニック東方Ⅱ(instrumental)
02-MASTER SPARK
03-Mighty Girl of the Supernatural
04-The Flowering Night
05-Nostalgic Blood
06-Emotion
07-Remilia Is The Law
08-Chaos in Brain
09-Guardians Revival

編曲、演奏、歌唱を一人でこなす龍5150さんの個人サークル、5150のアルバム。
アルバムタイトルが示すとおり、東方のシンフォニックメタルアレンジですね。
シンフォニック要素を取り入れたアレンジというのは色々なサークルで見られますが
本作はそれらとは一味違う、ラプソディー直系のかなり本格的なヤツです。
サウンドプロダクションや龍5150さんの歌唱力はまだ改善の余地がありそうですが、
派手なオーケストレーション、コーラスを多用したサビ、ピロピロ鳴るギターと
メタラー勢の琴線に触れまくるツボを突いたアレンジは素晴らしいの一言。
特にコーラスは、大仰さを演出しつつ歌唱力の不足を補う役目も果たせており、
本作のキモとなっている要素ではないかと思います。
それに「信仰は儚き人間の為に」「懐かしき東方の血」「リーインカネーション」など
哀愁成分の強い、いかにもメタルアレンジが映えそうな選曲も好印象です。

また、4曲目と8曲目はシンフォニックブラックメタルアレンジとなっています。
しかしながらこっちはかなり好みが分かれそうですね。アレンジ自体はすごくいいと
思うんですが、デス声がちょっと弱い気がします。一本芯が通ってない感じというか、
聞いてて脱力感を覚えてしまう。ちょっとデスメタルとしては物足りない気分です。
ただ、これはこれで味があるな、と感じる面もあるんですよ。「業火マントル」の
アレンジである8曲目を聞いていると、フニャフニャしたデス声がまるで地獄の業火に焼かれる
怨霊達の怨嗟の声のように聞こえてきて、混沌とした怪しい雰囲気を感じ取れます。
これがガッシリした獣の咆哮のようなデス声だと、こういう怪しげな雰囲気はまず出せないと
思うんですよね。まあ、好みは人それぞれでしょうが、「業火マントル」のアレンジということを
踏まえると、こういう歌唱もアリなのかなと思いました。

それと、飛鳥さんによるジャケットやブックレットの絵がすばらしい出来です。
水彩画のような淡いタッチで描かれたジャケット表面の集合絵や裏面の幻想的な風景の絵
を眺めているとそれだけで頭の中がシンフォニックに染まって胸が熱くなりますね…。
「嗚呼、大合唱メタル」のキャッチフレーズも相まって、ジャケ買いした人もいそうですよね。

界隈にはほとんどない本格的シンフォアレンジで、個人的にはかなり楽しめた作品です。
欠点はたくさんありそうなんですが、この手の音楽はそういうB級感も含めて愛されるジャンル
なので、ある意味では完成度の高い作品だと思います。「Ⅲ」の制作も既に始まっていると
聞きますし、春のM3ではオリジナルアルバムの頒布予定もあるということで、今後の作品での
更なる進化も期待したいところです。

<お気に入り曲>
・Mighty Girl of the Supernatural
「信仰は儚き人間の為に」のアレンジ。もうなんかイントロの時点で先の展開がほぼ読める
お約束みたいな構成ですがそれがいい!原曲からしてメタルっぽいので相性は抜群だし。
明るい感じのギターソロも聞いてて気持ちがいいですね。

・Emotion
「無何有の郷」のアレンジ。シンフォニックバラードです。やはりこの手のアルバムに
バラードは欠かせないですよね。漢臭いサビの合唱が実にすばらしい。原曲のイントロの
メロディをサビに持ってくるという大胆さも持ち合わせたアレンジです。

・Guardians Revival
「リーインカネーション」のアレンジ。コテコテのメロスピです。ラストに入ってくる
英語の語りの威力がやべえ。ドラマチックすぎる。
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