同人音楽の感想みたいなレビューみたいなものを書いてます

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[同人音楽感想] 硝子の森のセレ / Studio Lepus

硝子の森のセレ
(2010/10)
Studio Lepus

公式サイト

◆分類
イージーリスニング
民族音楽

Studio Lepusの1stオリジナルアルバム。
インスト+小説という形態で描かれたストーリー作品です。
この手の作品は大きく分けて、音から物語を想像させるタイプと
物語を音で補強するタイプの2つがあると思いますが、今作は後者のタイプ。
小説内の世界観に浸らせるためのBGMとしての役割が強く、
民族音楽というよりはアンビエントとかイージーリスニングとかそっち系の雰囲気。

今作では民族楽器やピアノが多用されていますが、一番目立っているのはベース。
うおんうおんとうねるような低音が場を支配しており、それが今作のストーリー・・・
森の奥深くに歩みを進めていく展開にぴったりはまってるのが素晴らしいです。
得体の知れぬ森に誘われているかのような幻想感。幻惑感。
さりげなく変拍子が多用されていて、物語にあわせてずんずん曲が進行していくのも
気持ち良い。全体を見渡すと主張を抑えた音楽ではあるけれど、
細部を見ると作者の拘りが表に出てるのが良く分かってニヤニヤできる音楽です。

小説のほうは、これ単体でも十分楽しめるほどきっちり書かれています。
宮崎アニメを彷彿とさせる幻想と畏怖に満ちた「森喰い」の世界観、
ボーイミーツガールでセカイ系な物語展開など、独特の雰囲気があり面白かったです。
特に主人公のクッカとセレの間で言葉が通じないという設定が良かった。
言葉は通じなくとも心は通じあう、というテーマは
そのまま「音楽の力」として当てはまるのかなーとか思いました。
「音楽に国境なし」とは良く言ったもんです。

決して派手な作品ではありません。メロディは抑え目に作ってあるし、
小説の文体も生硬で、悪く言えば味気がない。ただ、細かいところに
作者の拘りが表れていて、それが魅力として輝きを放っています。
オリジナルの民族系サークルとして、またひとつ面白い人たちが
出てきたなーと思います。今後の展開にも大期待!

◆曲の感想
04-忘れられた滝のほとりで
今作の中では比較的派手な作風で、メロディも印象に残りやすい。
幽玄な笛の音色とリズミカルなパーカッション、そしてベースとの絡みがとても綺麗だ。
森の中をずんずんと分け入るような曲調だが、後半からはハープやピアノが出てきて
叙情的な雰囲気に。1曲のなかでも色々な情感がこもってるのが今作の良いところです。

06-曲り樹の回廊
夜がやってきて緊張感が増す。さりげなーく4拍子から3拍子に切り替わってるらしい
ですが、私にはどこで切り替わってるのか分かりません。しかしライナーにも書いてる
とおり後半から畳み掛けるように加速感がついてきて物語も終盤に向かってることを
実感させられる。

07-知識の樹
この曲だけゲスト作曲なんですが、それをこの位置に置いたのが見事だと思います。
この曲は言わばミッドポイント的な位置づけで、ここを境として
物語が、世界ががらりと切り替わる。その断層をゲスト作曲という、
異質な雰囲気の曲を置くことで巧みに表現している。
言うなれば第二部のオープニングトラック。こういう手法大好きです。

10-霧深き水の天鵞絨
さあクライマックスだ!緊張感と透明感を備えたストリングスとピアノ、
相変わらずよく響くベース、転調と変拍子を繰り返すキレのある曲展開!
終盤からの甲高いピアノの音がいいですなー。聖剣3のダークキャッスルの曲みたいだ。

11-硝子の森のセレ
曲調としてはピアノアンビエントだが、これまでの曲で奏でられた
さまざまなフレーズが顔を出し、コンセプトアルバムとして満足させてくれる。
クッカとセレは最後まで言葉は通じないままなんだけど、
それぞれ異なる想いを抱きつつ、最後の最後で二人は同じ結論に達する。
今作ではその結論の是非は描かれておらず、「同じ結論に達した」ということ自体が
二人を、世界を解放するトリガーになっている。いやー、面白い作品でした。
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