同人音楽の感想みたいなレビューみたいなものを書いてます

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[感想] 少女さいをなげかれた / クレバスランプ

少女さいをなげかれた
(2011/08)
クレバスランプ

公式サイト

◆分類
イメージアルバム
和風ロック

「ひぐらしのなく頃に」のアレンジ&イメージアルバム。
今更ひぐらし?と思われるかもしれないけど、原作が完結して5年経った今でも、
この作品には当時とまるで変わらぬ原作への情熱と愛が注ぎ込まれています。
「一枚で一作品を描ききる」彼らの姿勢が今回も非常に良い方向に働いており、
とにかくネタの出し惜しみというものがまったく感じられないのがすごい。
「ひぐらし」という重厚長大な物語がアルバム一枚の中にぎゅうぎゅうに
詰め込まれているため、結果的に非常に濃厚な作品に仕上がっています。

特に素晴らしいのが4曲あるイメージ楽曲。それぞれ綿流し編、祟殺し編、
罪滅し編、皆殺し編を象徴してるんですが、どれも各編の特徴を非常に的確に
捉えており、原作を知っている人なら「おおー!」と感嘆させられること
請け合いです。楽曲の構造から歌い手の選択、曲調や楽器の使い分け、
要所に使われるSEや語りなど、あらゆるところに「ひぐらし」が宿っている。
単純にメロディも良いしね。「嘆きノ森」とか「奈落の花」などのアレンジ曲も
入っているけど、それらに全くヒケを取らない出来栄えだと思います。

というわけで、「ひぐらし」が好きなら文句なしにオススメです。
私も当時からひぐらしは大好きで、原作をプレイしていたときに思っていたことが
そのまま甦ってきて、思い出が活性化させられた気分です。
「オワコン」などとは言わせない。そんな熱い想いを感じさせてくれる一作でした。

◆曲の感想
01-嘆きノ森
原曲に比較的忠実に作られている・・・というか原曲がそもそもひぐらしの
イメージ楽曲みたいなもんなので大きく改変するのは難しそうですな。随所でヒッヒッヒ・・・
みたいな笑い声が飛び交っていて怪しい雰囲気が強調されてるのが良い感じです。
原曲に比べるとボーカルがパワー不足に思えるけど、彩音さんが相手では仕方ない。

02-日の現
「綿流し編」をイメージした楽曲で、魅音と詩音にスポットが当てられている。
最初は落ち着いた曲調で始まるが、中盤から唐突に和風インダストリアルロック的な曲調に
変化する。これは「綿流し」の日をきっかけに急転直下するひぐらしの物語を
そのまま反映したものなんでしょう。対比的な歌詞の書き方も面白い。

03-夕映えの絵
これは「祟殺し編」、圭一と沙都子にスポットを当てた楽曲でしょうか。あるいは悟史?
優しげな雰囲気のアコギと男性ボーカルがとても素敵ですなー。
間奏からラストに至る展開がもうね・・・大サビのところ、すごく感情がこもってるのに、
ボーカルが加工されてしまって彼の想いが届きそうもないのがあまりに切ない。
最後の「ドーーン!!」がまた素晴らしい。原作のタイトルロゴを思い出すなー。

06-朔の夜霞
待ってました疾走ロックチューン!イントロが良すぎる。4,5曲目がゆったりとした曲調
だっただけに、開放感がものすごい。思えば罪滅し編ってこういう作風でしたよね。
バッドエンドだらけの物語の中で、かすかな希望が見え始めて・・・
当時は叩かれてたけど一番好きなシナリオでした。間奏のプログレっぽいリズムから
センチメンタルなアコギパートに移るとこがめっちゃ好きです。
この作品には間奏にも物語が詰まっている。Souwerさんのパワフルな歌声も素晴らしい。
「さとりがーひらーかれーたーーーー↑↑↑!!」

07-一縷の希望
和風バラードロック的な感じ?イメージは「皆殺し編」でしょうか。
イントロや間奏に使われてる風が呻くようなSEは原作ファンのニヤニヤポイント。
今作は全体的にメロディも良いんですが、とくにこの曲のサビメロは好きだなあ。
間奏のギターソロ、神妙な語りのあとのピアノパートが良すぎる。
ほんとに「一縷の希望」って感じ。か細いけど確かな力強さがある蜘蛛の糸。

10-ひぐらしのなく頃に
アニメ1期のOP曲のアレンジですが、何故この位置にあるのか、が重要かと。
皆殺し編までのイメージ楽曲は揃っているのに、最後の祭囃し編だけがなく、
代わりにこのおどろおどろしい楽曲が配置されている。
これはアルバムコンセプト「喜劇より惨劇を」に沿わせたつくりとも
捉えられるが、それ以上に大きな意図があるように思えます。
それはこの曲が「10曲目」であること。
そして、今年は「鬼隠し編」の発表年から数えて9年目にあたります。
惨劇はトーラスの中に。節目を迎えて物語は円環を紡ぎ始める。
この曲はひょっとすると、たとえ10年が過ぎようと「ひぐらし」は終わらない・・・
いや、終わらせないという、彼らからの「抵抗の意志」なのかもしれません。
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