同人音楽の感想みたいなレビューみたいなものを書いてます

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[感想] meteor / NAPPY MANT

meteor
(2012/01)
NAPPY MANT

公式サイト

meteor・・・メテオ。この言葉自体は流星とか隕石という意味だけど、小学生のころFF7に
どっぷり漬かりこんでいた身としては、どうしてもこの言葉が「崩壊の象徴」のように
思えてしまいます。この作品に関しても、必ずしもその印象は間違っていないようで、
ここで描かれてるのは日常の断絶。死別。「来るはずだった明日」へと消えていった「君」と
「来るはずのなかった今日」に取り残された「僕」を巡る物語です。

01-tomorrow world
導入トラック。曲名だけ見れば希望が開けているように思えてしまうが、ここで描かれてる
明日は必ずしもいいものではなくて。曲調も広がりを見せつつもしっとりとした感じ。

02-異次元
冒頭の女性の「ただいまー」という声から始まり、ピアノのイントロ、そしてボーカロイド。
この入りはほんとすごい。歌詞を読むまでもなく、今作の内容が凝縮されてる。
来るはずだった明日は消え去り、来るはずのなかった今日が訪れる。
それを歌うはボーカロイド。ボーカロイドは異次元の使者・・・。
馴染みやすいメロディに溶け込むようなピアノ、ギター、ベース、
「さよなら」とともにフェードアウトしていくラストもいいですなあ。

07-スローイン'ドッグシューズ
ここまで描かれてきた「君」と「僕」は若い男女のイメージが強かったのだけど、
この曲はたぶん少年と犬についての話。色んな境遇の話が描かれることは、
ラストの「メテオ」をより引き立たせることに繋がるので、こういう曲の存在は
大事だなと。失った相棒の声を追い求めるように駆け出した少年は、
今後どういう道を歩むんだろうか・・・と最後のコーラスを聴きながら考えてしまう。

08-we will see again
2分弱の繋ぎインストトラックだけど、この曲を境に空気が変わる。
ここまで描かれてきたいくつもの君と僕を束ね、「僕ら」の話へ。
結末に向けてステージが一段上がるのがはっきりと分かります。
こういう曲があるのが音楽アルバムのいいところだなあ。

09-僕らのつづき
もともとこの作品は良いメロディが集まってるのだけど、この曲のサビメロは
これまでの曲よりも輪をかけてキャッチーだし、それをイントロに間奏に
容赦なく使ってくる周到さ。たまらんよね。特に2分手前からの間奏はいいなあ。
オルガンと弦の伴奏とアペンドミクのコーラスがマッチしすぎてゾワワワっとくる。
そして「ありがとう」の締め。ここで終わりでも十分「良い作品だったな」って
思えるんだけど、このあとにさらなるクライマックスが控えてるんだから恐ろしい。

11-メテオ
何と言っても今作のキモはこの曲。これまでの曲は全てこの「メテオ」を煌かせる
ためにあるといっても過言ではないと思うし、この曲自体も素晴らしい出来栄えです。
星の降り注ぐ夜。星屑のようなピアノの音色とどこか焦燥感を漂わせる時計の音から
スローに立ち上がる前半部は、流星群を観測しようと冬の夜空をじっと眺める人々の、
静謐と高揚がないまぜになったような、あの独特の空気を感じ取れます。
2分40秒を過ぎたあたりで、流星が降り始める。立ち上がる4つ打ちのリズムは
人々の胸の高鳴り。アペンドミクのコーラスときらめくピアノがそこに追従していく。
そして5分20秒からの高速歌唱パート以降の盛り上がり!こっからがほんとすごい。
命を燃やすように輝き、消えていく星々が空を覆い尽くすような圧巻の光景。
最後の「星の降り注ぐ夜」のところがほんと良いんだ。サビメロをボカロと
ピアノが掛け合うように共鳴していて。深夜、この瞬間だけ許された邂逅、という感じ。
深夜とは、いわば今日と明日の境界面。だからこそそこに取り残された君と僕は、
「僕ら」は出会えたのかもしれません。失ったものはもちろん戻ってこないが、
それでも今日から明日に歩を進めることはできるのでしょう。
meteor・・・メテオ。私は冒頭でこの言葉を「崩壊の象徴」と書きましたが、
これを聴き終えた今は、それは一面に過ぎなかったな、と認識を改めました。
生命を燃やすように輝き、消えていく。この作品で描かれるメテオは「生き様」だ。
描かれたいくつもの「僕」は、崩壊を経験し、絶望し、今日に取り残され、
それでも「君」の生き様を糧にして明日を生きていく。
すばらしい曲でした。


そんなわけで。とにかく表題曲「メテオ」が素晴らしい作品でした。
他の曲もいいがやはりメテオが突き抜けてる。この曲はニコニコで30万再生を
越えている有名な曲ですが、アルバムの流れの中で聴くとまた違った感動が
得られると思います。「メテオ」までに描かれた「僕ら」の軌跡があるからこそ
「メテオ」の奇跡がさらに活きてくるわけで。東日本大震災の1週間後に
アップされた曲ということで、そういうリアルの「物語」の中で支持されてきた
曲だと思うのだけど、今作によってフィクションとして見事に昇華されたと感じます。

それにしても、この作品を聴いてると「やっぱボカロはすげーな」と強く思います。
この作品は同じ空の下に生きるものすべてを対象にしていて、
それはもうスケールのでかい物語を扱っている。私は「僕ら」とかいう曖昧な言葉で
勝手に括られる歌詞ははっきり言って好きじゃないんだけど、ボカロが歌うと
あまり抵抗を感じないんですよね。それはたぶん、ボーカロイドという存在が
誰でもなく、誰のものでもない、器のようなものだから。どこの誰とも知らない
作者がこのような壮大な物語を描いて陳腐に思われないのは、もちろん曲自体の
良さもあるが、ボカロが受け皿として機能しているから、というのもあると思います。
アイドル。歌姫。本当の意味でボカロはそういう属性を持っているのだなあ、と、
今更ながら思いました。

「今年はボカロを開拓していこう!」と2012年、意気込んで購入した作品第一号が
この作品だったわけですが、いやはや初っ端から大当たりを掴んでしまいました。
これからもどんどん買って聴いて書いていきたいものです。
いやー私の明日は明るいなあ!はっはっは!幸せじゃ!
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2013/07/29(月) 05:39 | | #[ 編集]
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