同人音楽の感想みたいなレビューみたいなものを書いてます

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[同人音楽感想] Ambient Dreamer /Corky Voce

Ambient Dreamer
(2009/12)
Corky Voce

公式サイト

トラックリスト
01-Ambient Dreamer
02-Inner Heart
03-Good Day
04-いざない
05-blueNote
06-マトリョーシカ
07-蝶
08-風車
09-楽園 -シントニック・コンマ-
10-yume -現-

作詞、作曲を担当する藤宮圭さんと、ボーカルを担当する紘瀬さやかさんによる
2人組サークルCorky Voceの1stフルアルバム。
本作を音楽のジャンルで一括りにするならばポップス、ロックあたりになるんでしょうが、
時折予測のつかない奇妙な進行をする曲もあるし、プログレ…というには抵抗がありますが
アルバム全体から漂う妖しさなど、間違いなくそれに近い作風も感じますね。

で、なんでそんな作風になっているかというと、おそらくテーマに沿った結果ではないかと。
歌詞を見れば分かることですが、このアルバムの曲はほぼ全編「後悔」を歌っています。
どうにもならない状況に陥ってしまった現在。
「何故あのとき…」と悔やみきれない過去の選択。
もう取り戻せない懐かしい思い出。
そして曲もそれに呼応するように、不安感や倒錯感を助長するような展開が頻出します。
頻繁に起こる転調。不協和音にまみれた間奏。唐突に挿入される無音。時には疾走。
同じ単語が執拗に繰り返される歌詞。先に行くのを拒否するかのような、
迷路のような曲展開…。アルバム全体のベクトルは、とにかく後ろに後ろに向いている。
しかし時間は前にしか進もうとしない。未来にしか向いていない。
そういった葛藤が根底にあるからこそ、プログレチックな雰囲気が出てくる…と勝手に妄想。
とにかくテーマと曲調が綺麗に連動しているので、訴求力のある作品に仕上がっている印象です。

しかも、上記の要素はあくまで曲のエッセンスとして用いられているだけなので、
全体として取っ付きにくさを感じることがほとんどなかった、というのがすごく良かったです。
メロディラインがすごくキャッチーなんですよね。
90年代っぽいというか、ほんのり懐かしさを覚えるようなキャッチーさ。
このおかげで、自己完結に留まらず、聴き手の心情にも訴えかけられる曲が作れるんでしょう。
作曲者の藤宮圭さんは、ゲームのBGMや主題歌も制作されているようで、
このあたりのバランスのよさは、やはり経験の豊富さから来ているものなんでしょうか。

また、紘瀬さやかさんの歌唱も、本作を語る上では外せないでしょう。
難しい進行をする捻くれた曲群を綺麗に歌いこなすし、何より声量が豊富なので、
歌詞やメロディが耳に心にダイレクトに飛び込んでくる感覚が味わえますね。
おまけに、レコーディングを田中”TEPPEI"邦明さんというプロの方が手掛けているためか、
音質が非常にクリアなのもいいですね。

抜群のバランスを持った楽曲の中に、確かに感じられるコンセプトの息遣い。
ちょっぴりの前衛性。こういうの大好物です。
C77作品の中では今の所これが一番のお気に入り。
これで1stアルバムっていうんだから、次作はどんなものが出来上がるのか…
今から楽しみです。


<お気に入り曲>
・Ambient Dreamer
5拍子進行という珍しい曲調です。間奏は不協和音まみれだし、歌詞はちょっとしかないし、
中途半端な所で唐突に終わるしで、実は本作で一番カオティックな曲です。
表題曲、かつ一曲目でありながらこういう曲調を持ってくるか!と感心させられてしまう。

・いざない
イントロの不安感、倒錯感を煽るかのようなシンセ音がたまらないですね。
その後バンドサウンドが入り、ぐっと盛り上がる展開もいいです。

・マトリョーシカ
題材がマトリョーシカなだけに、ロシア民謡的な哀愁をほのかに感じる曲です。
この曲以降、サビメロがえらくキャッチーになり自分好みのキラーチューンが続きます。

・蝶
和風バラード的な雰囲気を持った曲…と思いきや途中から突如哀メロを纏って疾走開始!
音は違いますが、やり方が完全にクサメタルのそれです。もうノリノリです。

・楽園 -シントニック・コンマ-
このアルバムの中では唯一の前向きな曲調。吹っ切れた感じの歌詞や歌唱がいいですね。
「楽園楽園楽園…」とひたすら連呼するパートに中毒性があり、何度も聴きたくなる曲。
シントニックコンマという言葉ははじめて聞きましたが、音楽用語なんですね。
細かいことは分かりませんが、音律の違いによる音程の「ずれ」のことらしい?
この「ずれ」を現在と過去、現実と夢想の間の「ずれ」と掛けているんでしょうか。
それを楽園と呼ぶあたり、吹っ切れというか開き直りなのかもしれませんね。
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