同人音楽の感想みたいなレビューみたいなものを書いてます

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[同人音楽感想] sync of eschatology /KPDrecords

sync of eschatology
(2009/10)
KPDrecords

公式サイト

トラックリスト
01-faucet
02-omnipresence
03-useless
04-pupil
05-bug
06-a feather of the debris
07-gap
08-unstable
09-coil
10-habit
11-pleasant
12-stuffed toy

kanabunさんの個人サークル、KPDrecordsのオリジナルインストアルバム。
本作は作者によればエレクトロニカ/IDMのジャンルに属するということで、不気味さを
感じさせる電子音や、ブレイクビーツの複雑なリズム、その他様々なノイズやSEなどが
カオティックに詰め込まれた非常に倒錯感の強いサウンドで、キャッチーさはほぼ皆無。
ただ本作は、アルバム全体を通して一貫したコンセプトがあって、それに従って
起承転結を持ったストーリー性のある展開をしているのが分かる作りとなっています。
混沌とした雰囲気の中にあっても、きちんと秩序立った構成が取られているので、
ある意味では聴きやすさ、取っ付き易さも備えている作品と言えるでしょう。
また、深い闇をたたえた瞳でこちらを覗くジャケットの少女たちの絵や、ブックレットを
開くと現れる拘束された少女の絵からは、謎めいた雰囲気がむんむん出ていて実にツボ。
パッケージ全部を通して一つの閉じた世界観が構築されているタイプの作品であり、
波長の合う人はとことん引きこまれるタイプの作品でもあると思います。

で、私は幸いにも「波長の合う人」だったらしく、なんか色々考えが浮かんだので
以下にこの作品で私が考えたことをつらつらと書いてみることにします。
無論、これはタダの私の妄想であり、作者さんの意図とは全く関係ないものです。

このアルバムは4つのセクションに分類することができると思います。
すなわち、起承転結。

・トラック01~04
ダイアルアップ接続の音みたいな甲高い電子音が支配的なパートですね。
単調さの中にもどこか不安定さがあり、自分の意識が白く塗りつぶされていくような、
精神安定剤みたいな怖さ。明滅する蛍光灯をじっと眺め続けたときに感じるような、
混濁した意識のイメージ。時折、外国人の話し声とか子供の泣き声とかが聴けますが、
意識が曖昧なときには、こういう幻聴っていかにもありそうですよね。

・トラック05~07
中盤にさしかかるこのあたりのパートでは、随所でシンセによる綺麗なメロディが聴けます。
電子音=意識の混濁と書きましたが、ここではメロディ=思考回路なのかなあと思いました。
意識が混濁してるときって、一方で妙に思考がクリアになる場合がありますよね。
そういう歪な半覚醒の状態を表現しているんじゃないのかなと。明晰夢みたいなかんじ。
5曲目~6曲目の流れはアルバムの中でも特に好きです。5曲目はアドベンチャーゲーム
とかRPGのダンジョンあたりに使われそうなメロディが聴ける曲で、意識の深層に向かって
思考を潜らせていくイメージが湧きます。そして6曲目は一転しておだやかなメロディが
聴ける曲で、意識の深層にある心象風景、ってイメージがありますね。カラスの鳴き声や
波の音などのSEからは懐かしさと同時に、どこか寂しさも感じられる雰囲気があります。

・トラック08~11
アルバムも終盤にさしかかるところで、悪意や敵意を感じる攻撃的なノイズやビートが
曲を支配するようになり、メロディはほとんど聴けなくなってしまいます。
得体の知れない怪物が這い寄ってくるような不気味さが実に生々しく、恐ろしい。
無意識下にあった心の闇に気づいてしまい、それにどんどん囚われていくイメージというか。
吸い込まれるような瞳を持ったジャケットの少女たちは、ひょっとすると
心の中の覗いてはいけない闇そのものなのかなあ、とか思ったり。
となると、ブックレットの拘束されている少女がこのCDの主人公なのかなあ、とか思ったり。
心の闇を覗き込み、そのまま囚われ取り込まれてしまった者の哀れな末路というか。

・トラック12
ノスタルジックな雰囲気の穏やかな曲で、曲そのものは一番キャッチーで聴きやすいんですが、
果たしてこれは救いがあると言えるのか。stuffed toy(ぬいぐるみ)という曲名や、
無邪気な子供の声からは、なんともいえない「仮初の楽園」感があるんですけど…。
基本的にダークサイドに堕ちていくのは心地がいいものらしいですからねえ。

以上、妄想爆発の感想でした。
あまり私にとっては馴染みのないジャンルだったんですが(IDMなんて初めて知ったし)
想像力を掻き立てられる音作りが大変素晴らしく、すんなりと入っていけました。
今後もこういう作品に沢山出会って、色々なジャンルの音楽を開拓していきたいものですね!
コメント
No title
このCDは色々と妄想させてくれる作品ですよねー。
特にブックレットに何も書いてないのがよけい想像力を働かさせる気がします。

ラストが本当にハッピーエンドなのか?ってのは私も同じ意見です。
な~んか裏のある可愛らしさの気がします。
2010/03/04(木) 00:35 | URL | kizkiz #jg5ZjxmI[ 編集]
No title
ブックレットにででーんと女の子の絵が載ってるだけ、というのはすごくインパクトがありますよね。
CDを聴いて、あの絵を見て、聴き手がそれぞれ感じたことがそのままこの作品の「詞」になるのかなあーとか、そんなことを考えてました。

ラストの曲は、与えられた心地よさって感じがしますね。
洗脳されてしまった人の内的世界みたいなイメージを私は持ちました。
2010/03/05(金) 00:07 | URL | borozo #-[ 編集]
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