同人音楽の感想みたいなレビューみたいなものを書いてます

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感想とか

マイスタジオが安部菜々ちゃんで埋まったのでアイドルマスターシンデレラガールズは
今回のガチャをもってゲームクリアです。私は幸せです。

というわけで久しぶりの更新です。ここのところスーパーやる気無しモードですが
音楽はそれなりに聴いてるし京都のボーパラ関西+Mコミにも行ってました。
良い作品が無いわけではないんですが、聴いてるだけで満足できてしまって
語りたい欲がさっぱり湧きません。つまらない人間になってしまいました。
まあ愚痴っててもあれなのでとりあえず何も考えずにここ3ヶ月くらいの間に
聴いてた作品の感想を何記事かにわたって列挙していきます。


◆ KEMOLOVE / ななひら
特にケモナー向けなコアな内容というわけでもなく至って平常運転のかわいいかわいい
ななひらアルバム。楽曲は良い感じにハイテンションで電波してて、作曲家陣がようやく
彼女の生かし方を分かってきたように思える。もっと無茶してもいいと思うけど。
一番好きなのは1曲目の「Jump Over!生物種」。愛さえあれば種族の違いなんて
ジャンプオーバーしちまおう!という今作のコンセプトを総括した曲だけど、
マジキュートの毒に侵された自分はつい深読みしてしまう。ななひらさんの声は
自分にとって本当に甘美で心地がいいので、聴いてるこっちが「そっち側」に
ジャンプオーバーしたくなるような危うさがあるというか、なんというか・・・。


◆ 辿・誘 / 凋叶棕
サークル初の2枚組だが、ボリューム的にはそう変わらず、どちらかというと
いつもの作品を2つに分割したって感じ。当然それをする意味はある。怖いくらいの意味が。
iTunesに取り込んで、プレイリストをせっせと作ってるときに「それ」に気づいて
背筋がゾゾゾゾーってなった。考えすぎかもしれないけど狙ってやってるなら怖すぎる。
つくづくここの作品は二次創作だ。作品を重ねるごとに、「もうひとつの幻想郷」が
形作られていってる感じ。特に今回は、過去の曲との対比になっている曲が多く、
凋叶棕ワールドの存在を改めて実感。「Grate Escaper」や「left behind」には「devastator」が、
「At least one world」には「パラレルスカイ」や「ハカナキヒト?たちのために」が
それぞれ裏側に控えているって考えてみるとより楽しめると思うよ。他の曲も然り。
こうした試みで特に良かったのは「name for the love」。これは『騙』に愛着がある人は
やられるだろう・・・自分は最初聴いたとき比喩でも何でもなく枕を濡らしましたよ。
『騙』において、幸せのために茨の道を歩かせた霊夢さんに対しこんな形で
救いが与えられるとは。もちろんこれもひとつの嘘に過ぎないけど、それでもいいんだ。
まあ、その後に控える「she's purity」がそうした愛を否定するべく糾弾してくるんだけど、
こういう隙の無さも凋叶棕の凄いところだ。オモテとウラのミルフィーユよ。
とはいえ『遙』『騙』に比べると今作の出来はやや不満。良い曲はすごく良いけど、
そうでもないのも多いし、特にインストは全然目立ってない。「CD作品であること」を
生かしたコンセプトの発想は相変わらず抜きん出ているものがあるけど、音楽面では
もうちょっと面白くなる要素はあると思うなあ。『遙』の「あの日自分が出て行って~」
みたいな面白いインスト曲をまたやってほしい。



今日はここまで。列挙とか言って2枚だけというひどさである。

2012 同人音楽CD 20選

レビューブログ的なところがやる新年一発目の記事といえば!そう年間ベストですね!
というわけで毎年恒例となりつつある自己満足オブ自己満足な年間ベスト記事、
今年もずらりと並べてみました。今回は購入量が増したため奮発して20選。
対象としたのは2011年11月~2012秋M3までの作品です。
今回は珍しく順位をつけています。順位付けを嫌う人がいるのは分かりますが、
どうせ主観的なものに過ぎないし、このほうが好みが分かりやすいんじゃないですかね。
まあそういうわけで20番から一気にいきまっせー!


20. vanitas vanitatum / J&B



何と言っても"泣ける電波"「すぺしゃる☆でりしゃす♪えぶりでい? 」の衝撃がでかかった。
永遠を生きる者たちと刹那を生きる者たちを様々なジャンル・音色を用いて
対比してみせた技巧的な作品ですが、電波ソングでさえもコンセプトに組み込んでしまう
貪欲さは大したものです。それも2周、3周と聴いて作品の背景が見えてくるにつれ
そうか、そういうことか・・・とブルーな気分になれるので素敵ですよね!



19.創傷クロスライン / 少女病



ここ数作の少女病はだんだんとストーリー上の大きな流れが出来つつあり、
それがある程度収束に転じてきた今作には相当な期待を寄せていました。
で、期待通りかというと、まあ半分くらいというところかなーって感じなんですけど、
それでもやはり終盤の盛り上がりは良くて、クロスライン→イデアばっかり聴いてました。
少女病の試金石は次ですね。次が勝負。冬を避けたくらいだしきっとやってくれるはず!



18.偽恋埋葬録 / 三ツ星☆リストランテ



某迷宮の人がどっぷり浸かりこんでいる作品ですが、なんともダーク自虐オーラに満ちた
代物でしたね。音のチープさとかヒトを舐めきったような寸劇パートがカケルくんの
滑稽っぷりを加速させていて、もはや清清しさすら感じさせます。でもメロディは抜群に
いいし、アートワークにもニヤリとさせる仕掛けがあって作り自体は非常に丁寧。
だからこそ自虐が映えるんですよね。そこがいい。連作もののようなので、
「あ~まつっきせーんせ♪」「が~ぶ~り~え~るぅ~」「つまーんないのぉー・・・」
などの数々の名言を残した上様の今後の御活躍にも期待したいですね!



17.cosmorium / ざうに



なんかボカロ買うかー、とショップでジャケ買いした作品ですがまさかの大当たり。
民族、オーケストラ、ドラムンベースなど曲調は多種多様、尺も1分~5分まで幅があり、
アルバムの流れに翻弄される感じがたまらない。かつて栄華を誇った海底遺跡のような
神秘性が全体に漂っており、ボカロの無機質な声もどこか神々しい雰囲気を放っています。
この作風はニコニコで1曲ずつ発表するよりアルバムにまとめて聴かせたほうが
間違いなく良いと思いますね。ボカロはニコニコでの再生数が全てではないよ。



16.猩紅フレーバー / クイックパンチ



紅楼夢はもちろんMコミにも参戦する関西の雄、クイックパンチの初フルアルバム。
打ち込みの音を賑やかに重ねた実にゲーム音楽アレンジらしいインストアレンジで、
2名のアレンジャーが好き放題暴れまわっている。東部開拓地が好きな人は高確率で
ツボにはまると思う・・・つまりはそういう音です。どの曲もいいけど、やはりラストの
紅楼アレンジが素晴らしいですね。個人的に思い入れの強い原曲ということもあり、
紅魔郷アルバムはやっぱ最後の紅楼が見せ場だと思います。終わりよければ全てよし!



15.カガヤキノヨル / Die Ellipse



東方女性ボーカルロックアレンジにニューウェーブ!紅楼夢で知った新星です。
パワフルなボーカルやバンドサウンドだけでもかっこいいけど、要所要所に出てくる
シンセパートとの絡みが何よりかっこいい。全ての音が生きている。
ロックがそんなに好きなわけでもない自分がこれだけ惚れ込むのだからロック好きは
はまるはずだ!今後ここは必ず伸びてくるので今のうちにチェックしてライバル(?)に
差をつけよう!



14.Fairy Tale Atelier / LeichiaCarosello



童話系物語音楽にニューウェーブ!題材は童話寄りで、演劇的な雰囲気もありますが
MamyukkaやRitornoのようなキャストを大勢使った賑やかなソレではなく、
いかにも「普通の女の子」感のある女性ボーカルがひとり舞台に立ち、
オーケストラを交えたドラマティックな楽曲が彼女にスポットライトを当てる。
そこで表現されるはLeichia Caroselloの確固たる物語観。
非常にビジョンのあるサークルだと思います。1作目としてはパーフェクトでした。



13.meteor / NAPPY MANT



ニコニコ動画でも有名な楽曲のひとつである「メテオ」を軸に作られたアルバム。
「メテオ」は震災直後に投稿された曲ということもあり、そういった事情が
良くも悪くも視聴者の共感を呼んだのだと思いますが、それをひとつの作品に組み込んで、
アルバムとして再構築したところにクリエイターとしての信念を感じます。
実際、アルバム化されて「メテオ」に至る道筋が改めて示されたことで、
単体で聴くのとは全く異なる感動が宿っています。やはりこの曲は名曲のオーラがあるね。



12.史上のネィコス / アテアの仔等



え、この作品去年でいいの?と言われそうですが店舗委託に出てきたのは昨年夏のこと
なのでいいんです!むせ返るほどのけれん味が塗りたくられたコテコテ物語音楽で、
よくわからないスケールのでかさに押し切られる形ですっかりはまってしまった。
とはいえ再録作品ならではの仕掛けをコンセプトに組み込んでいたりと実は結構
計算高い面もあり、なかなかに食えないサークルです。今後のシリーズも期待大。



11.meme / シェイクジアス



シェイクジアスって今までは作品買ったことなくておちゃらけたキラキラメタルみたいな
印象しか持ってなかったんですけど、印象だけで計っていた私がバカでしたね。ええ。
この作品、とにかくボーカルのIZNAさんの書く歌詞のパワーがものすごいんですよね。
それも正のパワーじゃなく負のパワー。創作に対する葛藤とか怨念とか劣等感とか
そういうものを隠すことなくぶちまけてるし、それでも創作を続けるという覚悟をも
内包している。「コレクション」からの展開は壮絶という他ない。すげえよこの人。
まさかこんな茨の道を進んでいる集団だったとは・・・昨年の中でも有数の予想外でした。



10.桜姫楼閣 / Kraster



これはもう最後の14分曲「Perfect Cherry Blossom」が全てですね。
Krasterの良さをぜんぶ詰め込んだ渾身の1曲、ボーカル3人の現行体制最後の曲にして
最高の曲でした。それだけで十分でしょう。フォーエバークラスター!



9.綴 / 凋叶棕



個人的東方アレンジ最高傑作『遙』の次の作品はゲスト参加曲を集めた企画盤だった・・・
が、ただの寄せ集めなんぞではなく、アリスを主人公に据えて凋叶棕の「これまで」と
「これから」を繋ぐ非常に重要な作品です。あちこちに提供された楽曲にも凋叶棕の血が
脈々と通っていて、東方世界に並列に寄り添う「凋叶棕世界」みたいなのが生まれつつ
あることを実感させてくれる。やっぱり彼は只者じゃないわ・・・。



8.World Ecriture / のん's factory



物語音楽にニューウェーブ!「楽しそう」な音楽を創ることで各所から評判の作品です。
たぶん作者の好きなもの、今やりたいことを惜しげもなくつぎ込んでできたもの
なんだろうなーと思いつつ、その聴きやすさに驚かされます。歌詞とにらめっこせずとも
美しいメロディに身を任せていればスルスルっと頭に物語が入ってくる。
音楽に物語を乗っけるセンスが卓越してるんだよなあ。「断罪のアリス」での痛烈な
しっぺ返しといい、実に「物語音楽」のツボを突いた作りをしてくれますねえウェヒヒヒ。



7.Lament / 毎日五月病



物語音楽にニューウェーブその2!少女病スタイルのシンフォニックロックで、
弦の音に宿る幻想が聴きどころ。「Thanatos」における現実→幻想への美しい逃避を
見せておきながら、最後の「サバト」で逃避先の幻想さえも否定してしまう
「どうしようもなさ」に惚れましたね。私が愛する初期佐藤友哉にも似たあの
身も蓋もない中二病オチ・・・幻想は無力だ。



6.バイバイ、ブラックワールド / millstones



これも一昨年の11月に出た作品なのでここに入れていいのか微妙なんですけど、
買ったのが1月とかなので問題ないはず!物語を進行させるテクノサウンドと、
世界を拡げるアコースティックサウンドが共鳴し、描き出されるは「創作って何?」
という根源的なテーマ。この作品が作品として頒布されたことそのものが、
生まれては消えていくブラックワールドに対する別れであり救済でもある。
商業の舞台でも活躍する作者らしい安定感ある曲作りと、
同人らしい自意識剥き出しファンタジーが融合したみごとな作品でした。



5.Mary had a little love / <echo>PROJECT



東方アレンジ界隈で年々存在感を増す秘封倶楽部オンリーアレンジですが、
とうとうその金字塔とも言える作品が出たんじゃないかと思ったのがこれですね。
現実と幻想の境界で揺らぐ秘封少女たちの出会いと別れ、夢を見ているのは何者なのか?
彼女らの存在を象徴する数多のモチーフが詞の中に次々と登場し、甘くとろける電子音と
尖ったギターやノイズが交じり合い、二人だけの濃密な幻想百合空間が形成される。
物語に出口は無い。しかし少なくとも、作品を聴いている間だけは・・・



4.Emilia ~the Last Chapter / Roman so Words



エミリアちゃんは、いつまでも私の天使です。



3.MagiQute!! / ななひら



ななひらちゃんマジキュート!!!
春に入手して以来、現実逃避したいときに聴くのは常にこの作品でしたね。
つらいときは本当にお世話になりました。彼女の歌声に元気をもらいました。
しかしこの声に惹かれれば惹かれるほど、この作品の魔性が恐ろしくなります。
この世界に取り込まれてそのまま溶けてしまいたい、蜘蛛の巣に囚われる蝶になりたい、
そんな欲が私を蝕むので聴きすぎるのは危険です。でも聴いちゃうもんね!
ななひらちゃんマジキュート!!!



2.騙 / 凋叶棕



かの傑作『遙』から一年、凋叶棕はまた恐るべき作品を生み出してしまった・・・
嘘をテーマに据えたこの作品は紛れもなく、『遙』『綴』の系譜にして、
その精度を格段に高めた「解答篇」というべき出来栄え。
嘘とは何か?真実とは何か?
誰が嘘を吐いているのか?誰のために嘘を吐いているのか?
とにかく考察が面白い!そして考察の果てに見えてくる答えはあまりにも壮絶。
何故彼はここまでして二次創作に入れ込むのか?言うまでもない。愛だよ、愛!



1.Alice / Euchaeta



2012年最大の衝撃作でした。
確かに1stの時点で音作りやメロディはめっちゃ好きだったんですけど、まさかここまで
自分好みの作品が出てくるとは思わなかった。ひたすらに圧倒されました。
初聴時は「Amaryllis」の狂った曲展開に興奮しつつ作者頭おかしいと心底思ったし、
聴きこみを進めるとやがて分かってくる「Sophia」の歌詞にただただ戦慄しました。
物語性のある音楽ってのを今までいっぱい聴いてきましたけど、なんというかここまで
「理解されることを放棄している」作品は初めてです。
天文学的な確率に絶望し、それでも天文学的な確率に賭けるしかなかった。
こんなにも美しいメロディで、こんなにも壮大な楽曲で、こんなにも素敵な音楽なのに、
私にはこの作品の「中身」が、何一つ分かりませんでした。





◆総括

買 い す ぎ た
今年はこれに尽きますね。シューショク的な意味で資金面の問題が解決したのは
良かったし、関西を中心にイベントの参加率も上がってきたんですけど、明らかに
自分のキャパシティを超える量を買ってしまって結局最後まで追いつけなかった。
未聴作品に追われて好きな作品の聴きこみも不十分で感想もうまくまとまらず、
グダグダなまま一年が過ぎてしまいました。しかもまだ未聴作品はわりと残っていて、
だから今回の年間ベストだってこれで決定というわけでもないんです。

けれど、『MagiQute!!』『騙』『Alice』この3作に出逢えたというだけで、
昨年はもうなんか満たされちゃいましたね。それほどまでにこの3作は傑出していました。
このタイミングで年間ベストを書いたのも、これらの牙城を崩す作品が積みCDの中に
あるとは到底思えなかったからです。いずれも1年に1枚出ればその年は豊作と言っていい
くらいの好みレベルだし。そういう意味では昨年は豊作も豊作、大豊作でしたね。

とはいえ昨年が買いすぎなのは間違いないし、今年はとりあえず買う量は減らすと思います。
ようやく自分の好みが固まってきた感がありますし、試聴でぴんと来ないのは買っても
あんまり聴かないのが多いですからね。イベントの魔力で余分に買わされてる。
そんで減らしたぶん、買った作品は大切に聴きたいですね。
ほんと昨年は1回2回通し聴きして以降は棚の肥やしみたいな作品が多かったから。
「鑑賞」じゃなくて「処理」みたいになるくらいなら聴かんほうがマシだ。

ブログのほうはどうしましょうかね。相変わらず様式の定まらないまま気が向いたときに
書いてる状態なんですけど、最近は気が向く頻度がどんどん落ちていましてねえ。
あんま文章上手くないし気合を入れて記事書くのはほんとエネルギーがいるんだ。
モバマスでガチャぶん回したりアホな同人エロRPGで遊んでる時のほうが楽だし
楽しいですからね。正月も福袋ガチャを回し安部菜々ちゃんにせっせと高級おせちを
貢いでニヤニヤする日々を送ってました。シャカイジンになるとブログの更新が
途絶えるケースが多いのはこういうことかと思いましたね。余暇が減るのもあるけど、
それ以上に余裕が足りない。

とはいえまあ、ブログを閉鎖したり凍結したりという選択肢は今の所ないですね。
一人よがりな内容ばかり書いてますけど一応読んでくれてる人はいるみたいだし、
拍手とかもらえるとやっぱり嬉しいですからね。承認欲求承認欲求。
それにツイッターアカウントに鍵かけて完全に内輪仕様にしちゃったので、
せめてブログ記事くらいは全体に向けたものを置いときたいというのもあります。
私が同人音楽聴き始めのころレビュー書いてたサイトや人はことごとく
一線を退いちゃって、そうなるとやっぱり寂しいもんですからね。
このブログもそろそろ4年目で、いいかげん老害じみてきてるのは自覚してますけど、
低空飛行でのんびりやりたいと思います。たまに見に来てくれるとありがたいです。

まあそんな感じで、長い記事になっちゃって申し訳ないですが、
今年もよろしくお願いします。

[毎日五月病] lamentのこと

lament
(2012/05)
毎日五月病

今年はサンホラ・少女病タイプのコテコテ物語音楽でいいものを作るサークルが次々と
現れた年だったけど、その中でもインパクトの強かった作品がこの『lament』です。
作風としては少女病に近く、バンドサウンドにストリングス、ピアノを交えた
比較的シンプルな構成からなるシンフォニックロック。今回が1stアルバムとのことだけど、
現時点で既にかなり洗練された音を出してると思います。ボーカルが悠花さんってことも
効いてるかもしれないけど、それぞれの音が非常に良いバランスで配置されてる。
特にストリングスは素晴らしい。3曲目のイントロとか、これまで後ろに配置されてた
弦がババーンと美旋律を纏って前に出てきて、聴く者を甘美な幻想に引き込んでくれる。
かと思えば6曲目の弦などは、まるでサイレンのような音をもって緊迫感を与えてくる。
ギターが、ピアノが、弦が「そこ」に配置されて、聴く者にどんな情景や心情をもたらすか、
そういうことをけっこう計算した上で作ってあるような印象があります。
複雑な構成や多彩な音色がなくとも、音をもって物語を伝える技術は相当なもの。

そういうわけで、音はかなりの優等生タイプな毎日五月病ですが、「五月病」の名は
伊達ではなく、描かれる物語はどうしようもなくやるせないものばかり。
1曲目の「日常デストラクション」からして「私」は死にたい死にたい言ってるし、
そっからどんどん幻想に溺れていき、逃げ込んだ幻想の中にも一切の救いは与えられない。
これだけ幻想を描くに適した音を出しておきながら、中身の物語は執拗に幻想の無力さを
訴えかける。アンチファンタジー。このアンバランスさがすごく魅力的なんですよ。
特に最後の曲「サバト」、これの悲惨さはもはや笑いがこみあげるレベル。
オチの部分だけ歌詞に書かれず、「ここで私の物語はおしまい。」とだけ書いてあるのが
非常にタチが悪い。この脱力感は明らかに狙ったものだし、どうしてこんな不毛な物語を
描く必要があったのか?と考えると、この作品の更なる面白さが見えてくると思います。

まあ、そっから先は作者の領分なので、あまり詮索しても「正解」を見つけることは
できません。ただ、想像して楽しむことはできる。毎日五月病について私が知るところと
いえば、「少女病のフォロワーであること」「少女病になりたくてもなれなかったから
サークル名を毎日五月病にした」くらいなもんで、しかも作者本人の発言を見たわけでも
ないからアレなんですけど、この材料だけでも色々と想像は浮かぶよね、と。
「美麗なシンフォニックロックから救いようのない物語」ってのはまさに少女病が
積み上げてきたフォーマットで、毎日五月病はそのフォーマットを利用してこの作品を
作り上げている。悪く言えば二番煎じなわけです。しかし、だからこそ・・・それを自覚
しているからこそ、彼らはこの作品に漂う「やるせなさ」を生み出せたとも言える。
「サバト」でああいう、下手すればギャグとも取れる脱力感をもって物語を終わらせている
こともたぶん同じで、あれはきっと彼らの渾身の自嘲なんだと思います。歪んでいて、
後ろ向きの創作意欲。けれど、この音は、この物語は、彼らの「オリジナル」である
少女病には決して生み出すことの出来ぬ幻想のカタチです。
やはりこれは毎日五月病という、オリジナルですよ。

さて、冒頭にも書きましたが今年は良い「物語音楽」を作るサークルが次々出現しました。
以前感想を書いた「のん's Factory」とか、まだ触れて無いけど「At the Garret」とか、
「三ツ星リストランテ」とか、「Leichia Carosello」とか。彼らに共通していることは、
同人音楽のフィールドの中に明確な「先人」が存在していて、そしてそれを自覚した上で、
自身の「オリジナル」を見つけようとしているところだと思います。時には先人への愛が
歪んだり怨念を纏ったり憎悪や嫉妬に変わったり自嘲することもあるかもしれませんが、
その感情こそが「オリジナル」の源なんですよね。毎日五月病はまさにソレだ。
まだまだ物語音楽には・・・物語と音楽のハーモニーには生み出せるものがある。
そう強く確信させてくれた作品のひとつがこの『lament』です。
作中で「私」の物語はどうしようもない終わりを迎えたけど、彼らの物語はきっとこれから。
これからも陰鬱でやるせなく、されど素敵な幻想を私たちに見せてくれることでしょう。

秋M3作品感想

そろそろ一年の終わりも近いので!感想を書いていきます!秋M3作品だよ!
ネィコスの考察?はて何の話だったか・・・



◆BINARY / かぜのねれこーど

新作あるとかまったく期待せずスペース行ったら置いてあった新作シングルです。
いや~、ここのメロディはやはり絶品です。2曲あるけど1曲目はまさに遥風節炸裂の
彩り豊かでちょっとせつない青春ポップスでほんと素晴らしい。サビメロほんと頭に残るなあ。
最後のラララ合唱なんてもうお約束ってくらいよくある展開だけどそれでも涙腺が緩む緩む。
ボカロでない初の人間ボーカル作品の前作が正直今一つで、これも人間ボーカルだったので
ちょっと心配だったけど、「Answer」の曲名どおり作者自身なんか答えを掴んだなって印象。
あとはボカロ(UTAU)verも流石の調声っぷりで人間と比べても遜色ないのも聴きどころ。
この人の曲聴くとUTAUのポテンシャルの高さに驚かされます。


◆女の子あ・ら・もーど / 40より7大きい!



当ッ然!ななひら成分の補給が目的であります!!ありがとうございます!!!
今回のポイントはななひらさんがお姉ちゃんを演じているところです!
もう一人のボーカルひなうささんがロリ系はロリ系でも庇護欲そそられるタイプの
しとやかタイプの妹キャラなので相対的に元気系のななひらさんがお姉ちゃんになる!
新境地です新境地!なかよしってすばらしい!ありがとうございます!!!


◆SOLROS / Grand Thaw



試聴してあまりにも自分好みすぎる曲調でびびった作品です。
コテコテのエセ民族サウンドにオーケストラがスパイスされ、鬼キャッチーなメロディ、
細くて可愛くて儚げな女性ボーカルも完備と、ひたすらあざとい音楽で攻め立ててくる。
おかげで試聴ループしすぎていざ完成品を聴くころにはすっかり飽きていた!無念!
まあBMS界隈が主戦場の人らしく尺はあまり長くないし構成もそう複雑ではないので
仕方ないかもしれませんが、何だかんだで曲調はど真ん中ストライクなので今でもかなり
聴いてます。コテコテ民族はね、それだけで心が躍るんですよ、嗚呼光田世代・・・。

[Die Ellipse] カガヤキノヨルのこと

来月号からはじまるチャンピオンREDの新連載がとっても楽しみです。
赤い核実験場が生み出せし異形・ニノ瀬泰徳の帰還じゃー!

えー、そんなわけで(?)今日の感想です。紅楼夢新譜から、聴きたてのほやほやだよ!




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Die Ellipseってサークルの『カガヤキノヨル』という作品です。
今回の紅楼夢が初めてのCD作品らしく、ジャンルとしては女性ボーカルのロックアレンジ。
最近のボーカル勢の新規処ってほんと男性ボーカルが多くて、生理的にあれらが苦手な
私としては女性ボーカルの新規さんってだけでとてもありがたい存在だったわけですが、
そんな捻じ曲がった根性で持ち上げるのが恥ずかしくなるほど今作は良い出来でした。

作風として近いのは強いて挙げるなら豚乙女かな?ノリのいいバンドサウンドにワイルドな
ボーカルなんかは確かにそんな感じ。ただ、展開や音使いにはかなりの意外性があり、
ギター、ベース、ドラム、ボーカルに打ち込みピコピコシンセ音までとにかく賑やかな
配置がされてる。このへんは他のサークルにはないセンスでしょう。
「死んでる音がない」ってのが素晴らしいんですよね。ボーカルとかギターは確かに
一生懸命シャウトしたりピロピロしてるんだけど、その背後でベースがウネウネしてたり
ドラムがドガガガガガガガガってやってたり鍵盤が叙情旋律を垂れ流してたり、
各々が主張しまくっててしかもそれが綺麗に調和してる。
結果的にめっちゃドラマティックなアレンジに仕上がっちゃってるわけですよ。
「禁断症状」「カガヤクヨル」「星の降る夜」が特にクソカッコイイ。

まあそんなわけで、こいつはロックアレンジに新星登場!だと思います!
確かにボーカルとかまだ粗い面はあると思うけどはっきり言って化ける要素しかないわ。
たぶん委託とかはないと思うけど今後Die Ellipseってサークル見かけたら
是非ともチェックしときましょう!これだから新規発掘はやめられん!
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