同人音楽の感想みたいなレビューみたいなものを書いてます

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東方紅楼夢8 注目作品とか

更新をさぼってる間に気がつけば明日は紅楼夢!関西勢の私はもちろん参加です。
というわけで今回も購入予定のものを並べておきます。
チェックの際はFOOLの同人音楽室さんのリストを活用しまくりました。
紅楼夢参加の音系サークルが見やすく網羅されてるのでみなさんも参考にしましょう。

上からだいたい注目度順に並んでますが適当です。
バナーもしくはタイトルから特設にリンク貼ってます。
soundcloudとか貼るのはなんかもっさりするので諦めました。


◆手のなるほうへ!



今回ボーカルものでぴんと来るのがあんま無かったんですけど、これは来たね。
元気で一生懸命なボーカル、こういうのでいいんだよ、いやこういうのがいいんだよ!
あと、最後の曲にななひらさんが参加しているのも当然見逃せません、ビバ電波!



◆ビブロフィリアの夜



秘封倶楽部×童話作品らしい。最近の秘封作品のなんでもアリっぷりがヤバイ。
童話作品と一口に言ってもドグラマグラからまんじゅうこわいまで題材の幅がやたら広く
そもそも童話ですらねえだろうと言いたくなるけど、曲調もそれに呼応するように実に多様で、
しかも曲ごとにイメージイラストやSSもついてるみたいでかなりガチな作り。
初出は9月の秘封イベントなので、扱いは旧作だろうけど相当力の入ってる作品であることは
間違いないのでこの位置に。



◆秘封サウンドスケープ集Ⅰ



このサークル、去年もリストアップはしたんだけど迷った末結局買わなかったんですよね。
だが今回は迷うことなく購入即決。去年も同じく秘封が題材だっただけにその進化っぷりが
良く分かるというものです。蓮台野夜行のストーリーを作者解釈で再構築した感じでしょうか、
トラック3~5あたりの異世界めいた禍々しさがたまらんです。章仕立てで前後対称な構成や、
「騙」と「かたり」と「語」表記の違いなんかは要注目。



◆東方光恩頼



雅楽アレンジ!雅楽アレンジですよ!和風なんちゃらとかのアレじゃなくガチ雅楽勢!
しかも生演奏だしほんとこの世界はよくわからん。ただ、何より注目したいのは
ただ東方曲を雅楽で演奏した、ってだけじゃない点です。打ち込みサウンドを混ぜ込んだり、
ボカロの歌声を使ったりして独自の解釈で東方の世界観を描き出してるのは素晴らしい。
ライナーノーツを是非見て欲しい。東方とは、幻想郷とは、という作者の想いが
よく表れていて、非常に読み応えがあります。



◆逆行不能のアルカロイド計画



クラブミュージックがベースのアレンジみたいですが、ゲーム音楽っぽさがイイ感じに
残っていてとても聴きやすい。クラブサウンドならではの高揚感、疾走感をまとって
グイグイ進行してるーおおー気持ちいいなー…と思いきや人を食ったような
コミカルなアレンジが飛んできたり、ピコピコしてたり打ち込みギターが前に出たりと
クロスフェードを聴いてるだけでもバリエーション多彩でワクワク感すごい。



◆第三地球空洞説 ~ Secrets of the Subterranean Girls



東方風オリジナル曲、という一風変わったアプローチをしている作品。どんなもんかと思って
試聴してみたらほんとに東方風というかZUN風としか言いようのないソレだった。
音源もメロディもそれっぽい。ZUNさんの新しい曲だよーって言われて聴かされたら
普通に信じてしまいそうだ。こう・・・絵界隈でいうところのメディンキさん的な面白さ。



◆猩紅フレーバー



去年の紅楼夢で知って気に入ったサークルの新作です。相変わらずジャケ絵がかわいい!
ゲーム音楽の「らしさ」はそのままにジャジーでノリよい雰囲気を盛り込んだ楽しさも
相変わらず。今回は9曲もあり、過去作にないタイプのアレンジも。試聴にない3,5曲目が
気になるところです。



◆★☆★☆★☆★



ここはキャラクターやテーマを絞って取り上げるのが上手いサークルで、
今回も「地霊殿魔理沙」に題材を絞っていますね。ポコポコフガフガ鳴ってる
オーケストラサウンドがやはり好みにピシャリ。試聴部分はかなり情報を絞ってる
感があり、今回も色々な仕掛けを打ってそうなので非常に楽しみです。



◆Continuity



「幻想郷の風景」をコンセプトにした作品をこれまではよく出してたけど、なるほど
これもその延長線上にあるかもしれませんね。こいしちゃんの心の風景。こいしちゃんは世界。
今までのヒーリング系の路線とはうって変わってダウナーな雰囲気が強く、「おおっ!?」と
思った度は今回最高かもしれない。



◆すきまむすび



東方ギャルゲー風アレンジアルバム。ああ、確かに・・・という曲が揃ってますね。
昼下がりの校庭みたいなまったりしたアレンジが多いですが、ギャグシーンとかに
使われそうなドタバタ曲が一部あったりして面白い。いいよね、こういう気楽に聴ける一枚。



星空へまっしぐら!

おー、これは自分にとって非常に「しっくりくる」アレンジですね。ちょいチープな音源で
色々な曲調があって、はっきりとしたメロディの主張がある。ゲーム音楽アレンジの
原点というか、おふくろの味というか、そういう素朴な良さがありますねー。
今回が初作品で13曲入り300円、いやーいいですよね、こういうの。同人って感じだ。




よーし(やり遂げた表情)、全部で11枚、こんなもんですかね。
今回はこれ!っていう作品はないけど、インストに安くて良いのがたくさんあってほくほく。
それにしても前日の23時に上げる注目作品記事とか誰得の極みすぎてやばいですね。
まああれです、自分のイベントボルテージを高めるためにやった記事ということで。
何せ紅楼夢は関西イベントの中ではかなり盛り上がる部類ですからね、気合です気合!
もっともやることは「これください」とサークルスペースを30分でまわり、あとの
数時間は雑談するだけなんですけどね!とにかく明日は楽しむぞー!(ヤケクソ)

[Minstrel] あの日の蜃気楼のこと

今日も元気に新譜感想とまいりましょう。本日はこちら!ドン!



Minstrelの『あの日の蜃気楼』!
このサークルに関しては自分はもうその品質を信頼し切ってて今回も試聴せずにポーンと
買っちゃいましたね。買うときにとらのあなの店頭で綺麗なメタルバラードが流れてて、
で、それがこの作品に収録されてる「夢結び」で。お、今回もええなあと開封前から
確信できました。うん、今回も安心のMinstrel節よ。

音的にはそんなに変わってない、良くも悪くも安定感のあるメタリックエモコア(?)
みたいなやつで、相変わらずLIQU@さんの歌声は伸びやかで綺麗です。
編曲面でおっと思ったのはやっぱ5曲目ですかねえ。大仰なシンセとコーラスに
早口パート・・・ペロ、これは同人ゴシック!ええ、もちろん大好きですとも!
yuta-LIQU@コンビはやろうと思えば何でも出来る気がしますねえ。貫禄がある。

それと、今回は(今回もだけど)お話のほうも良かったですね。1、2作目のゆかゆゆの
流れを汲んで、今度は妖夢にスポットを当てたお話。ゆかゆゆが共有した時間というのを
妖夢は知らないわけで、そのもどかしさを「蜃気楼」という言葉で表現している・・・って
感じですかね。ジャケ絵において、妖夢は幽々子のほうをはっきり見ているのに、
幽々子のほうはどこか遠くを見ているようで焦点がはっきりしないのがいいですね。
この三人の関係は私も好きです。

そんなわけで、妖夢ちゃんにとっては今回は少し残酷な話だった気もするけど、
まわりの曲が彼女を励ますように配置されてるのがいいですね。
「星空プラネタリア」が再録されてるのはもちろん手抜きなんぞではなく、
プリズムリバーは「君」の対象を妖夢に変更して彼女の想いを運んでいる。
このへんは2作目のライナーノーツ(サイトに公開されてる)を見てみれば分かります。
それと最後の「感情スカイスクレイパー」ね。この曲でしっかりと前を向かせる
かたちで背中を押して作品を〆てる。キャラに対する優しさというか、愛着を感じますねえ。

Minstrelって「メタル的なかっこよさ」ばかりが話題になりがちな気がするんですけど、
実際はそれだけじゃなくて、歌詞の言葉選びのセンスとか、二次創作に対するポリシーとか、
視点を変えてみると色々な魅力が見えてくるサークルだと思うんですよね。
そういえば前作の感想って私書いてなかったですけど、あれなんかは二次創作として
超異色作と言ってもいい作品だし、このサークルは実はかなりの曲者ですよ。
というわけで、全国のミンストレラーの皆さんもそうじゃない皆さんも時々は歌詞カードを
手にとってにらめっこしながら聴いてみると、きっと気づくことがあるんじゃないかな!

[J&B] Vanitas vanitatumのこと

きょうの感想はJ&BのVanitas vanitatum!
ショップで見つけて試聴もせずジャケとキャッチコピーだけで衝動買いしたものだけど、
こいつはアタリを引きましたね。アレンジ面、コンセプト面ともに相当練りこまれてます。
今作を語るにはまだまだ聴き込みが足りてない気もするし、雑感というかたちで
少しばかり・・・と思ってたけど、結局ガッツリ書いてしまいました。てへ。


まず最初に断っておくと、今作のコンセプト自体はわりとよくあるタイプのもので、
内容自体はさして新鮮味というか驚きというか、そういうものはなかったです。
永遠を生きる者が抱える悲哀とか空虚とか、そんな感じのやつね。どこにでもある話。
ただ、とにかく見せ方が抜群に上手い。
具体的には3曲目の「すぺしゃる☆でりしゃす♪えぶりでい♡」、これの存在です。
タイトルからしてゆんゆんしてる電波系アレンジ、この使い方がほんと素晴らしい。
曲調としては完全に浮いているのに、コンセプトとしては完全に溶け込んでいる。
これがないと7割くらいは魅力がなくなるといっても過言ではありません。

この曲は当然、普通に聴くと2曲目の「thanatophobia」の次に聴くことになるわけで、
「thanatophobia」のラストにある「生きる悦び その時になれば 私にも分かるかしら」
というフレーズと綺麗に呼応するように作られています。ハイテンションなアレンジや
小芝居は「生きる悦びとは?」という問いに対してのこの上なくストレートな解答に
なっていて、ここの流れだけでもアルバムの導入として非常に気持ちいい。
しかし、この曲の真価は実は2回目以降に聴いたとき・・・つまり一度作品を最後まで
聴いて全貌を把握した上でもう一度聴いたときに表れます。
この曲は、果たして誰の視点で描かれているのでしょう?


最初に書いたとおり、この作品の主人公にあたるのはジャケの輝夜をはじめとする
不死者たちであり、アルバム後半の楽曲では彼女らなりの「thanatophobia(死恐怖症)」
に対する答えが示されています。死なない(死ねない)者達が恐れる死とは何か、
彼女らは何に「生きる悦び」を感じればいいのか、その答えはそれぞれの曲で
彼女らが捧げる願いの中に込められています。それは「すぺしゃる~」で
先に示された単純明快な解答とはうって変わって、とても鬱屈かつ迂遠なもの。

 止まらない時間の中に 全ての喜びあるんだね 
 あわよくば願いかけます それだけは永遠に
  「みんなでお月見Night」より

 戻らぬ 追憶の破片 私を過去に縛り付け 届かぬ聲ならば
 狂う前に 私を殺して
   「永夜の聲」より

 消えないでいてよ線香花火 未来照らす 少し見えた永遠よ どうか
 二人の時間止めてください
   「星座になったら」より

この3曲は、いずれも異なる境遇の中で、異なる人物が願ったことだと考えています。
同一人物でも別にいいけど、いずれにしてもこれらの願いには共通点がある。
孤独への恐怖と、それが永遠に続くことへの恐怖です。
thanatophobia、死ねない彼女らが何より恐れる「死」とはきっとこのこと。
永遠に続く拷問です。そしてそれはおそらくいくら願っても決して逃れられない。
狂う前に私を殺して?彼女を殺すことは誰にもできない。死なないんだから。
それでも一縷の望みをかけて、救済の時を願わずにはいられない・・・というのが、
不死者たちにとっての「生きる悦び」なのかもしれません。

さて、そんな感じで、この物語は特に救済もなく、願いをかけた不死者たちの
顛末は語られぬまま幕を閉じます。アウトロには「Kosmos-reprise-」というインスト。
repriseとは、主題の反復という意味ですが、そういえばこの作品には
Kosmos・・・宇宙や星空がよく出てきます。永夜キャラを中心に置いているから
そういうモチーフを使っているのかもしれませんが、物語の全貌を見終えた今、
宇宙というものが今作にとってどういう意味を持つものだったのか、
ここで改めて考え直してみましょう。リプライスリプライス。
キーとなるのは、クライマックスを飾る曲「MUSES,S」の、この一節です。

 いつかはロケットが あなたを連れ去っていく
 オールトの雲の向こうまで 消えていって 笑顔も見れない

 ひとつ願うのは 私もいつの日か あなたの元へ辿り着きたい
 宇宙を旅したあの子のように


ここにも前の3曲に見たような「願い」が出てきますね。
この曲はおそらく、私=レミリア、あなた=咲夜で描かれていて、
ヒトと吸血鬼の寿命の違いから、いつか必ず訪れる死別に想いを馳せている場面と
考えられます。つまりここでは、ロケットが飛び去った先、宇宙を「死」に見立てている。
ここでの死は物理的な死のことで、「永夜の聲」にもあるように、それは不死者たちに
とってこの上ない救済であるということは言うまでもありません。
ではロケットはどうでしょうか?宇宙(=死)へと連れ去っていく乗り物・・・というと、
これは「時間」の見立てである、というのが自然ではないかなと思います。
そして死の訪れぬ者に時間が流れることはない。
彼女たちは、自身は決してロケットに乗り込むことができず、
飛び去る者たちをただただ眺めていることしかできません。願いは叶わないのです。
それはこの曲に限ったことではなく、他の曲にも言えること。

しかし、作中にてただ1つだけ、ロケットに乗ったことが明記されている箇所があります。

 くるくるくるりん 宇宙船で 本日はさいこー!
 いつでもいつも にっこりと笑顔
 だいじなたからもの 楽しい時間終わるなんて そんなの許さないよ!


そう、「すぺしゃる☆でりしゃす♪えぶりでい♡」ですよ。
この曲のラストでは、三月精が宇宙船を発見して宇宙に飛び立つシーンが小芝居と
歌でとても楽しく語られます。先にも言ったとおり、その生き様は「生きる悦び」の
もっともストレートな解答のカタチ、模範解答と言ってもいいでしょう。
しかし、不死者たちの願いに触れたあとになってこの曲を聴くと、その残酷さが
嫌でも分かるようになっているはずです。この曲は2周目以降に聴いてはじめて、
「ロケットに乗れる者」の背後に隠れた「ロケットを眺めることしかできない者」の
視点に気づくことができるようになっているのです。
生の悦びも、死の救済も、刹那の輝きも、永遠の拷問も。様々な感情と儚い願いが
この「すぺしゃる☆でりしゃす♪えぶりでい♡」には渦巻いている。
表向きはステレオタイプな電波ソングでありながら、これほどまでに多彩な要素が
背後に潜んでいる楽曲というのはなかなかお目にかかれないでしょう。
Vanitas vanitatum・・・永遠が抱く「空虚」というテーマは、それ自体は
使い古されたものだけど、この演出にはとにかく意表を突かれました。
これは感情移入しちゃうわ。実際、2回目以降にこれを聴いたときは、
楽しいような寂しいような・・・何とも言えない感傷がこみあげてくるんですよね。
どうしてこんな曲で私は涙ぐんでしまうんでしょうね。
音楽とは不思議なものです。

とまあ、そんな感じで。
願わくば、彼女たちの儚い願いがほんの少しでも報われたらなあ、と。
そう思って、ちょっと長めの感想文を書いてみました。
なあに、これもまた同じことです。
眺めることしかできない者の、叶うはずもないささやかな願いですよ。

[C82] 凋叶棕のこと

このブログを御覧の物好きの皆様にとっては別に意外でも何でもないでしょうが、
凋叶棕の新譜が非常に楽しみです。昨日書いた少女病と双璧です。
『遙』のことであんなアホみたいに長く意味不明な記事を書いたことからも
分かるとおり私はこのサークルに心酔してるし、何より信頼しています。
だからまあ、新譜も必ずやすごいもん作ってくるだろうと信じてるわけですが、
それにしても、いやはや、彼らは期待を裏切りませんねえ。
『騙』・・・よりによって「嘘」がテーマですってよ。

物語性のある音楽作品で「嘘」が重要なファクターを占める作品というと、
真っ先に思い浮かぶのがサンホラのRomanです。アレはえげつない作品でしたね。
朝と夜の物語で語られる、「嘘を吐いているのは誰?」というイヴェールさんの
ありがたい一言が当時の考察勢を阿鼻叫喚の無間地獄に突き落としました。
嘘が混じるとね、答えが出せないんですよ。前提条件を変えれば無限に物語が
作れてしまうからね。「嘘」というテーマはとにかく物語の自由度を爆発的に高める
効力がある。だからこそ、際限なく拡散を続け風呂敷が畳めなくなる恐れもある。
『Roman』ではこの難しいテーマを、「聴き手にパスワードを入力させる」という
半ば反則技なメタい手法を使って見事に収束させています。
つまりは、「嘘のメッセージ(パスワード)を入力して物語をループさせる」か、
「真実のメッセージを入力して物語を終わらせる」か、その最終決定権を
聴き手に委ねてしまうわけですね。
作品は拡げたままの風呂敷をそのまま提供しているだけ。
あなたが畳みたければ畳めばいい、と。

で、なんでいきなりRomanの話を始めたかというと、どうも現状出ている情報で
無根拠な妄想を広げていくと、『騙』もそれに近い構造を持っているんじゃないかなーと
思えてきたからなんですよ。今回は特設ページも凝っていて、偽のトラックリストが
書かれたページと実際のトラックリストが書かれたページの二種類が用意されています。
で、それぞれのページのジャケ絵にカーソルを合わせるとこんな文章が出てきます。

「はじまりは、嘘をつかれた二人」
「おしまいは、嘘をついた一人と口を噤むもう一人」

これをトラックリストに照らし合わせると、
「はじまり」はトラック1「真実の詩」(原曲は童祭とEndless
「おしまい」はトラック15「嘘のすゝめ」(原曲は少女綺想曲と空飛ぶ巫女の不思議な毎日)

また、両ページに描かれたジャケおよびトラック15の原曲から、
「嘘をつかれた二人」は霊夢と魔理沙
「嘘をついた一人」は霊夢、「口を噤むもう一人」は魔理沙

こんな感じに当てはめられると思うんですよね。
・・・なーんかこれ、怪しくないですか?「Endless」なんて超マニアックな原曲があるし、
露骨なまでにループネタくさいんですよね。仮にループだとすると、15曲目から1曲目に
飛ぶわけで、それはつまり聴き手が「嘘をついた一人(霊夢)」に誑かされて
「真実の詩」に辿り着く・・・2週目は聴き手が「嘘をつかれた二人」のうちの一人に
飲み込まれる構造になってくるんじゃねーかなー、と。さすがに妄想が過ぎますかねえ?

まあそこまで考えるのは行き過ぎてとしても、ジャケに魔理沙が出ているのに
魔理沙関連の原曲が無い、というのは念頭に置いといて損は無いと思います。
何故彼女の曲がないのか?それは彼女が「口を噤むもう一人」だからじゃないか、と。
これくらいならあながち妄想と断じられないでしょう?
私が思うにこの作品の主題は「口を噤んだ魔理沙の主張を探すこと」です。

嘘によせて、嘘を騙る。騙されても気にしないあなたのために!

恐らく素直に聴けば霊夢さんに騙されてループします。たぶん「イイハナシダナー」って感じで。
それはそれでいいのだと思います。「騙されても気にしないあなたのために!」ですからね。
『Roman』に通じると思ったのはこのあたりなんですよね。作中人物の嘘(嘘のすゝめ)に
従って甘美なループに浸り続けるか、口を噤んだ魔理沙の主張を暴いて物語を
終わらせるか。どうもこれも「あなたが畳みたければ畳めばいい」タイプの作品の
ような気がしてならないのです。そして言うまでもなく考察厨の私はこうした作品が
大好物です。もちろんここに書いたことは断片的な情報から組み立てた無根拠な妄想
(あるいは願望)に過ぎず、実際はぜーんぜん違う作品なのかもしれません。
つーかその可能性のほうがたぶん高いよね。でもまあ別にそれでも構わんのです。
だってねえ、事前情報だけでここまで妄想させてくれるんだぜ?
はっきり言って買う前のこの時点で既に値段分楽しんだと言っていい。
このあと本編が控えているなんて、彼らは私をどれだけ楽しませてくれるというのか。
きっと他の考察勢も今頃舌なめずりをして妄想を膨らませていることでしょう。

『Roman』は私が今まで触れた創作物の中でも三本の指に入る作品でした。
同じく「嘘」が重要なテーマとなる今作、果たしてどれほどの作品に仕上がっているか、
今から本当に本当に楽しみでなりません。また『遙』みたいな考察記事を書けたらいいね!

[感想] Isucaの嘴 / さかばと

Isucaの嘴
(2011/12)
さかばと

公式サイト

通天さんのアレンジって、「音そのものが幻想郷」ってイメージがあります。
和洋折衷の音使いながら、一貫してどこか雅な雰囲気が漂っていて、幻想郷の風景とか
そういうものがすごく鮮明に思い浮かぶ。で、最近のさかばとアルバムが面白いのは、
そうした幻想郷らしい音の中に、「誰かの視点」を加えたアレンジになっている点。
スカーレット姉妹をテーマに、と描かれていますが、正確には今作のコンセプトは
「フランドールが見たレミリアの姿(あるいは幻想郷の姿)」だと思います。
最後の「アイオライト」がEXトラック扱いになっているのはそのためでしょう。


◆ 幻想郷への憧憬
今作は、いつもの通天サウンドと比べてかなりロック色や疾走感が強めになっています。
この「いつもとの違い」が「フランドールの視点」というファクターになるのです。
フランドールは普段、地下室に幽閉されていて外に出ることができません。
いっぽうレミリアは原作内でも色々な作品に登場して幻想郷を暴れまわっている。
そんな彼女を見つめるフランドール、そこに宿る心情を想像すると、やっぱり「憧憬」
なのかなあ、と思います。外の世界への憧れが、レミリアへの憧れが疾走感となって
「幻想郷らしい」通天サウンドへと還元される。
さらに加えるならば、フランドールのこの「憧憬」の目線は、今作を聴く者の目線でも
あります。私とて彼女と同じ。幻想郷を想像し、そこに生きる者達を想像することしか
できないのですから。この音から感じられる心情とか、風景とかはそのまま彼女が
見ているもの、感じているものとして共有することができるのかもしれません。


◆ アイオライトは何色か
EXトラックのタイトルである「アイオライト」は多色性を持つ宝石です。
光にかざして色々な方向から眺めてみると、青や緑や黄色など様々な色に変化して
見えるそうです。で、当然ながらオーエンのアレンジであるこの曲は、
これまでの視点人物であったフランドール自身のことを表す楽曲です。
レッドラブラドライトという「光」にかざされたアイオライトは果たして
どんな色に見えるでしょうか。フランドールがレミリアのことをどう思っているかは、
たぶん人によってかなり解釈に差があるでしょう。敬愛か、憧憬か、羨望か、
嫉妬か、侮蔑か。確か公式でもこのへんは二転三転してたように思うし、
おそらくこれに正解はない。けれど、「アイオライト」を聴いてみると、
おどろおどろしい雰囲気のイントロに始まり、ハードなロックサウンド、
そして穏やかなピアノサウンドへと変わっていく。ここのパートに私はやっぱり
敬愛とか、憧憬とか、そういう感情を見てしまうなあ。


『Isucaの嘴』とはことわざで「物事が食い違うこと」ですが、
これはイスカという鳥のくちばしが左右食い違った奇妙な形をしているからだそうです。
けれど左右のくちばしはいつも隣同士にあって、イスカはこのくちばしを器用に使って
えさをついばんで生きています。
うん、やっぱりきょうだいは仲良しが一番ですよね!
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